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国交省、羽田-下地島線配分 スカイマークが初就航へ、政策コンテスト枠活用

 国土交通省航空局(JCAB)は5月14日、羽田発着枠政策コンテストの審査結果を発表した。羽田の国内線発着枠5枠(5往復分)について、地方自治体と航空会社が共同で利用者を増やすアイデアを出し合い、優れた提案に配分するもので、応募があった全国7空港のうち、鳥取と石見、山形、大館能代の上位4空港の配分が決定。得票数が3票差と僅差だった5位の三沢と6位の下地島の2空港に対しては、トライアル運航を認めた。羽田発着の下地島線は実現すると初就航で、スカイマーク(SKY/BC)が1日1往復運航する見通し。

国交省の政策コンテストで羽田発着枠が配分された下地島線空港=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 外部有識者による懇談会の評価で、総得点1225点で1位の鳥取と2位の石見(1192点)、3位の山形(1163点)は、今年3月28日に政策コンテスト枠としての配分期間を終えた路線で、鳥取と石見は全日本空輸(ANA/NH)が、山形は日本航空(JAL/JL、9201)が運航。再び配分されたことでこれまでと同じ航空会社が運航し、新たにANAの大館能代線(1033点)が加わった。各路線に1枠ずつの配分で、1日1往復ずつ運航できる。

 4路線の運航開始は冬ダイヤ開始日の10月25日を予定しているが、新型コロナウイルスの影響を見極め、両社では冬ダイヤの計画をJCABへ届け出る8月まで検討を重ねる。

 今回のコンテストでは、配分する発着枠数を従来の3枠から5枠に拡大した。トライアル運航となったのは、僅差だった地元自治体とJALが共同提案する5位の三沢(997点)と、地元とスカイマークによる下地島(994点)の2空港。2021年夏ダイヤ(21年3月28日開始)から冬ダイヤ(22年3月26日終了)までの1年間を、トライアル運航の期間として配分した。実績を有識者が再度評価し、1枠(1往復分)の配分先を決める。2路線については、トライアル準備などのため、前後の2020年冬ダイヤ(今年10月25日開始)と2022年夏ダイヤ(22年3月27日開始)も運航を暫定的に認める。また、7位で落選したのは佐賀で、918点だった。

 コンテスト枠は、2014年3月30日開始の夏ダイヤで初めて配分。ANAに鳥取線と石見線、JALに山形線が配分された。今回の新路線は下地島線で、新規増便は大館能代線と三沢線、残り3路線は継続配分になった。配分後の便数は、羽田-鳥取線は1日5往復、三沢線は1日4往復、大館能代線は1日3往復、石見線と山形線は1日2往復ずつ、下地島線は1日1往復となる。

 5枠とも配分期間は2020年冬ダイヤから2022年冬ダイヤ(今年10月25日から23年3月25日)までの3年間。2023年夏ダイヤ以降は、2022年夏ダイヤ途中までの取り組みや成果などを検証した上で、原則2年間の継続使用やコンテストの再実施などを検討する。

 下地島を発着する国内線は、ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)の成田線と関西線のみで、運航日は季節により異なる。スカイマークは、早ければ10月25日の冬ダイヤ初日から羽田-下地島線を運航することも可能だが、新型コロナウイルスの影響を見定めて就航時期を決定する。

 同路線は競合のないスカイマークの単独路線となり、機材はボーイング737-800型機(1クラス177席)を使用する。宮古島市など地元が就航後3年間、路線の立ち上げと路線維持にかかわる支援金をスカイマークに支払う。

 下地島空港のターミナルは、2019年3月30日に開業。ジェットスターは成田-下地島線を同日から、関西-下地島線を同年7月3日に就航させた。1路線目の成田線は、下地島空港にとって24年ぶりの定期便再開となった。

提案評価結果(順位・空港名・航空会社名・総得点・配分後の便数の順)
1位 鳥取空港 ANA 1225点 5往復/日
2位 石見空港 ANA 1192点 2往復/日
3位 山形空港 JAL 1163点 2往復/日
4位 大館能代空港 ANA 1033点 3往復/日
5位 三沢空港 JAL 997点 4往復/日
6位 下地島空港 SKY 994点 1往復/日
7位 佐賀空港 ANA 918点 5往復/日(現状維持)
・コンテスト枠は5枠(5往復)
・1-4位に1枠(1日1往復)ずつ配分
・5-6位は1年間のトライアル期間を経ていずれかに1枠配分
・7位は落選で配分なし

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【お知らせ】
5−6段目と提案評価結果を加えました。(20年5月14日 21:45 JST)