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777X、2号機も初飛行 21年納入開始

 ボーイングが開発中の大型機777Xの飛行試験2号機(777-9、登録記号N779XX)が現地時間4月30日(日本時間5月1日)、初飛行に成功した。飛行時間は2時間58分だった。

ペインフィールドを離陸する777Xの飛行試験2号機=20年4月30日 PHOTO: Marian Lockhart/Boeing

 2号機はボーイングのエバレット工場に隣接するシアトル近郊のペインフィールド空港を離陸。ワシントン州上空を2時間58分飛行し、ボーイング・フィールド(キング郡国際空港)へ着陸した。

 飛行試験初号機(777-9、N779XW)は、1月25日(日本時間26日)に初飛行に成功。当初は23日に初飛行する予定だったが、風速や風向きなど天候の影響で2度延期され、25日の実施となった。初号機はこれまで、およそ100時間の飛行試験が完了している。

 777Xは777の後継機で、メーカー標準座席数が2クラス384席の777-8と、426席の777-9の2機種で構成。航続距離は777-8が8730海里(1万6170キロ)、777-9は7285海里(1万3500キロ)を計画している。エンジンはGEアビエーション製の新型エンジン「GE9X」を採用した。

 翼は炭素繊維複合材を用いて軽量化するとともに、777の主翼よりも長くなった。このため、翼端を折りたためる機構を取り入れ、777が現在乗り入れている空港に就航できるようにした。地上で64.8メートルの全幅は、翼端を展開すると71.8メートルに広がる。

 777Xの胴体外径は777と同サイズになるものの、客室幅は構造変更により4インチ(10.16センチ)広くなる。飛行中の揺れを軽減する「スムーザー」を採用したり、機内の湿度を777よりも過ごしやすい値に改善する。

 航空会社への最初の引き渡しは2021年を予定。確定発注と発注コミットメントを合わせると340機で、エミレーツ航空(UAE/EK)が126機で最多発注となる。全日本空輸(ANA/NH)やブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)、キャセイパシフィック航空(CPA/CX)、エティハド航空(ETD/EY)、ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)、カタール航空(QTR/QR)、シンガポール航空(SIA/SQ)が発注している。このうち、ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、777-9を長距離国際線に投入している777-300ERの後継機として20機を確定発注している。

ペインフィールドを離陸する777Xの飛行試験2号機=20年4月30日 PHOTO: Marian Lockhart/Boeing

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