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ANA、787-10公開 胴体最長の787、新シートで東南アジア路線に

 全日本空輸(ANA/NH)は4月5日、ボーイング787-10型機(登録記号JA900A)を羽田空港で報道関係者に公開した。787では胴体の長さが最長となる超長胴型の機体で、標準型の787-8より11.6メートル長く、日本の航空会社では初導入となる。

ANAの787-10(手前)と787-8=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
東南アジア路線に投入
A380と同じ新シート
787-8より11m長い

東南アジア路線に投入

 ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、2015年3月に3機の787-10を確定発注。2号機(JA901A)は5月、3号機(JA902A)は2020年に受領する見通し。

ANAの787-10=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 座席数は3クラス294席で、ビジネス38席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー235席となる。全クラスに電源コンセントと充電用USB端子を設けた。エンジンはロールス・ロイス製トレント1000で、推力は3万3480キログラムとなる。

 787-10を最初に投入するのは成田-シンガポール線で、4月26日に就航。7月1日からは成田-バンコク線にも投入する。当初は国内線に投入予定だったが、これまで保有していなかった300席クラスの国際線機材として、訪日需要が旺盛な東南アジア路線の増強用に変更した。

A380と同じ新シート

 ビジネスクラスは38席で、エアバスA380型機に採用するシートと同じものを、全席が通路にアクセスできる1-2-1席のスタッガード配列で導入。個人用モニターは18インチで、大型のテーブルとサイドテーブルを装備した。A380で導入する「ペアシート」の設定はない。

787-10のビジネスクラスを紹介するANAの客室乗務員=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 プレミアムエコノミーは21席で、A380と同じシートを2-3-2席配列で導入し、シートピッチは38インチ(約97センチ)とした。個人用モニターはクラス世界最大の15.6インチのタッチパネルタイプで、約90度回転する大型テーブルやレッグレスト、フットレストを装備し、ヘッドレストは6方向に調節できるようにした。

 エコノミーは235席で、A380と同じタイプを3-3-3席配列で導入。シートピッチは34インチ(約86センチ)で、クラス世界最大の13.3インチ(最前列は11.6インチ)のタッチパネルタイプで、ヘッドレストは6方向に調節できるようにした。

 個人用モニターのコンテンツは、スワイプ式で探せる操作方式に変更。対応言語も11言語に拡充する。

ANAの787-10の座席レイアウト(同社サイトから)

787-8より11m長い

 787は標準型の787-8、長胴型の787-9、超長胴型の787-10の3機種で構成され、787-10は胴体がもっとも長い。全長は68.3メートルで、787-8(56.7メートル)と比べて11.6メートル、787-9(62.8メートル)より5.5メートル長く、大型機の777-200と比べると4.3メートル長い。設計と部品は787-9と95%共通しており、最終組立はすべて米サウスカロライナ州のチャールストン工場となっている。

ANAの787-10(手前)と787-8=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 海外の航空会社では、シンガポール航空(SIA/SQ)が2018年3月に世界初受領。定期便としてはシンガポール-関西線に初投入した。

 初号機は2月8日製造で、3月29日にチャールストンで引き渡された。フェリーフライトのNH9397便として、チャールストンを現地時間同日午後8時12分に出発。約14時間ノンストップで飛び、羽田空港のC滑走路(RWY34R)へ30日午後11時57分に着陸し、31日午前0時9分に203番スポット(駐機場)へ到着した。

*写真は17枚。
*ビジネスクラスの写真特集はこちら [1]
*プレミアムエコノミーはこちら [2]
*エコノミーはこちら [3]
*コックピット・外観はこちら [4]

ANAの787-10=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-9=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-8=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-10のコックピット=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-10のビジネスクラス=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-10のビジネスクラスのテーブルに置いたMacBook Pro 13インチ=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-10のビジネスクラスのテーブルに置いたMacBook Pro 13インチ=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ベッドポジションにしたANAの787-10のビジネスクラス=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-10のプレミアムエコノミー=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

787-10のエコノミークラスを紹介するANAの客室乗務員=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-10のエコノミークラス=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-10のエコノミークラス=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-10=19年4月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
全日本空輸 [5]
Boeing [6]
ボーイング・ジャパン [7]

写真特集・ANA 787-10
ビジネスクラス編 A380と同じ新フルフラットシート [1](19年4月27日)
プレエコ編 通路に出やすい大型テーブル [2](19年4月29日)
エコノミー編 個人用モニターは世界最大13.3インチ [3](19年4月30日)
操縦席・外観編 777-200より長い超長胴型787 [4](19年5月3日)

初便がシンガポールへ
ANA、787-10就航 超長胴型787、成田-シンガポール線に [8](19年4月26日)

3月末に到着
ANAの787-10初号機、羽田に到着 日本初導入、4月就航 [9](19年3月31日)

ANAの787-10
ANAの787-10、成田-シンガポール4月就航 7月からバンコクも [10](19年1月23日)
ANA、787-10国際線投入 アジア路線増強 [11](19年1月7日)
ANAの787-10、19年3月納入へ 国内線に [12](18年4月29日)
ANA、LCCで中距離国際線 18-22年度中期計画、大型貨物機も [13](18年2月1日)
ANA、787-10正式発注 最大サイズの787、19年度から国内線に [14](15年3月28日)
ANA、787-10やA321neoなど15機発注へ [15](15年1月30日)

シンガポール航空が世界初受領
シンガポール航空、関空で787-10日本初公開 就航50周年、5月に世界初定期便 [16](18年4月4日)
シンガポール航空、787-10公開 新シート採用、5月に関空就航 [17](18年3月28日)

787-10
787-10試験機の機内 写真特集・パリ航空ショー2017(1) [18](17年7月5日)
ボーイング、787-10の初飛行成功 超長胴型、ANAも発注 [19](17年4月1日)

【お知らせ】
タイトルをYahoo!ニュース配信分と統一しました。(19年4月5日 15:42 JST)