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ANA、737 MAX発注継続へ 片野坂社長「対策できれば方針変えず」

 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)の片野坂真哉社長は4月1日、ボーイング737 MAXの墜落原因について、早期の解明を求めた。ANAHDは737 MAX 8を最大30機発注しており、安全対策が構築できれば発注を継続する意向を示した。

737 MAXの事故について早期の原因解明を求めるANAHDの片野坂社長=19年4月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 最大30機発注のうち20機が確定発注、10機がオプションとなる。オプションの内容は非公表で、現在国内線で運航する737-700と-800の後継機として導入する。737 MAXを日本の航空会社が導入するのは初めてで、2021年度から2025年度にかけて受領を予定する。

 片野坂社長は737 MAXについて、「いちばん知りたいことは事故原因。原因がはっきりしないことには(キャンセルなどの)判断もなかなかできない」と語った。キャンセルや機種変更の可能性については「安全対策が確信できるものであれば、方針は変えない」とした。

 初号機は、2年後の2021年度に受領を計画する。初号機受領までは「そんなに時間がない」(片野坂社長)ことから、ボーイングとFAA(米国連邦航空局)に対し、早期の原因究明を求めた。

 737 MAXの墜落事故は現地時間3月10日に発生。エチオピア航空のアディスアベバ発ナイロビ行きET302便(737 MAX 8、ET-AVJ)が離陸後間もなく墜落し、乗客乗員157人全員の死亡が確認された。737 MAXとしては2018年10月29日に起きたインドネシアのライオン・エア(LNI/JT)のジャカルタ発パンカルピナン行きJT610便(737 MAX 8、PK-LQP)に次ぐ2例目の事故で、2件とも現時点で原因は判明していない。

 737 MAX 8を50機発注し、1機受領済みだったガルーダ・インドネシア航空(GIA/GA)のイ・グスティ・ングラ(アリ)・アスカラ・ダナディプトラCEO(最高経営責任者)兼社長は、注残となっている49機をすべてキャンセルする意向を示している。エチオピア航空の事故発生後、同型機をキャンセルすることを公にしているのはガルーダが初めてとなる。

 737 MAXは墜落事故の影響により、ボーイングがこれまでに納入した370機以上が各国で運航停止となっている。日本ではANAHDが発注しているものの、現時点で運航している航空会社はまだない。

関連リンク
全日本空輸 [1]
Boeing [2]
ボーイング・ジャパン [3]
Federal Aviation Administration [4]

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