サウスウエスト航空（SWA/WN）のボーイング737 MAX 8（登録記号N8712L）が現地時間3月26日、米フロリダ州オーランドからカリフォルニア州ビクタービルへフェリーフライト（回航）中にエンジンに不具合が発生し、オーランドへ緊急着陸した。
サウスウエスト航空の737 MAX 8に搭載するエンジン「LEAP-1B」（同社提供）
航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24」（flightradar24.com）などによると、同機はWN8701便としてオーランドからビクタービルへ乗客が乗っていないフェリーフライトで向かっていたが、離陸直後に引き返した。AFP通信などによると、エンジンに異常が発生し、引き返しを決めたという。
サウスウエスト航空によると、737 MAX 8は34機保有。FAA（米国連邦航空局）は13日に、737 MAX 8と737 MAX 9の米国での飛行停止を命じたが商業運航のみで、フェリーフライトや試験飛行は認めている。
737 MAXは複数のモデルで構成。標準型は737-800の後継機737 MAX 8（1クラス189席）で、もっとも胴体が短い機体で737-700の後継となる737 MAX 7（同172席）、胴体が長い737-900ERの後継機737 MAX 9（同220席）、さらに胴体を伸ばした737 MAX 10（同230席）がある。このうち、現在就航しているのは737 MAX 8と9の2機種で、7は年内、10は2020年の就航が計画されている。
エンジンはいずれも、CFMインターナショナルの新型エンジン「LEAP-1B」を採用している。
737 MAX初の墜落事故となった2018年10月29日のライオン・エア（LNI/JT）のJT610便（737 MAX 8、PK-LQP）事故と、今月10日に起きたエチオピア航空（ETH/ET）のET302便（737 MAX 8、ET-AVJ）事故は、ボーイングが同機で新たに採用した失速を防止する「MCAS（操縦特性向上システム）」のソフトウェアに問題があったとみられ、ボーイングはソフトウェアの修正版を近く配布する見通し。
関連リンク
Southwest Airlines [1]
Boeing [2]
ボーイング・ジャパン [3]
サウスウエスト航空
・737 MAX、サウスウエスト航空でも類似不具合 手動操縦で回避 [4]（19年3月26日）
・サウスウエスト機のエンジン爆発か 乗客1人死亡、フィラデルフィアへ緊急着陸 [5]（18年4月18日）
・サウスウエスト航空、737 MAX受領 米国初、10月就航 [6]（17年9月4日）
事故後キャンセル
・ガルーダ、737 MAX注残キャンセルへ 49機、ボーイングと交渉 [7]（19年3月24日）
737 MAX墜落事故
・マレンバーグ会長「安全はボーイングの核心」 737 MAXソフトウェア改修へ [8]（19年3月20日）
・737 MAX、日本に5社17路線 737-800で継続 [9]（19年3月19日）
・仏事故調、737 MAX墜落「明確な類似性」 エチオピア機とライオンエア機の飛行記録解析 [10]（19年3月19日）
・737 MAXの墜落調査、仏で開始 エチオピアが米国に不信感、ボーイングは納入停止 [11]（19年3月15日）
・日本も737 MAX運航停止 国交省、FAA決定受け [12]（19年3月15日）
・FAAも737 MAX飛行停止命令 エチオピア機墜落で [13]（19年3月14日）
・737 MAX、1年10カ月で376機納入 受注はエアバス優位、ボーイング「安全性に自信」 [14]（19年3月14日）
・737 MAX、欧州で飛行停止 EASAが指示 [15]（19年3月13日）
・墜落のエチオピア航空737 MAX、フライトレコーダーなど回収 [16]（19年3月11日）
・エチオピア航空の737 MAX墜落か ナイロビ行きET302便 [17]（19年3月10日）
・ライオンエアの737MAX墜落、迎角センサーに異常か FAAがAD発行 [18]（18年11月8日）
・ライオンエアの737 MAX墜落 インドネシアLCC大手 [19]（18年10月29日）
日系企業の動向
・737 MAX事故、スカイマーク後継機選定に影響も 佐山会長「ないわけではない」 [20]（19年3月18日）
・ANA、737 MAX 8日本初導入へ 最大30機 [21]（19年1月29日）
・日系リース会社JIA、737 MAXを10機確定発注 [22]（17年8月26日）
737 MAX 8初飛行
・初代737から半世紀経た新型機 写真特集・737 MAX、シアトルで初飛行 [23]（16年2月2日）
737 MAX、376機納入
・737 MAX、1年10カ月で376機納入 受注はエアバス優位、ボーイング「安全性に自信」 [14]（19年3月14日）