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スカイマーク、17年に国際線チャーター検討 国内再開路線「早ければ数カ月後」

 スカイマーク(SKY/BC)の佐山展生会長と市江正彦社長は11月12日、2017年の国際線チャーター便運航に向け、準備を進めていく意向を示した。アジア方面を中心に検討する。2020年までに再配分が検討されている羽田国際線発着枠の獲得に向け、チャーター運航で実績作りを目指す。また、経営破綻に伴い撤退した国内路線も、早期再開を目指す。

新制服を着用したスカイマークの客室乗務員と佐山会長(中央右)と市江社長(中央左)=16年11月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 スカイマークは12日で設立20周年を迎え、客室乗務員と空港の地上係員が新制服の着用を始めた。国際線チャーター便は、今年3月の民事再生手続き終結以降、2018年度の実現を目指して検討を進めており、アジアを中心にグアムなど過去に実績のある就航地を中心に絞り込んでいく。

 同社の再生計画案では、ANAホールディングス(9202)や日本政策投資銀行(DBJ)などから出資を受けた2015年から、5年以内の再上場を目指している。

 国際線チャーター便による実績作りのほか、2015年1月の経営破綻により撤退した国内路線の再開も目指す。

 佐山会長は「(撤退路線の再開は)早ければ数カ月後。再上場には安定した利益を出していくことが必要なので、路線を増やしていく」との考えを示した。具体的な再開路線については、「これから検討していく」と述べるにとどめた。

 スカイマークの破綻直後の路線数は24路線だったが、石垣と宮古、米子、仙台の4空港から順次撤退。現在はボーイング737-800型機(1クラス177席)で羽田、札幌(新千歳)、茨城、中部(セントレア)、神戸、福岡、長崎、鹿児島、那覇の9都市に18路線が就航している。

 一方、進展のない全日本空輸(ANA/NH)とのコードシェアについて、佐山会長は「エアバスA330-300型機を飛ばしていた時の話で、現在は搭乗率が改善している」と、検討段階と状況が変わったことを指摘。市江社長は「世の中の変化もある」として、今後の為替や燃油費の変動などリスク要因を考慮し、検討を継続していく考えを示した。

 また、スカイマークが羽田に次ぐ拠点としている神戸空港については、運営する神戸市が9月13日に、2018年4月の新会社による運営開始を見込んだ、コンセッション形式による運営権売却に向けた実施方針を示した。

 佐山会長は「海上空港なので、運用時間に制限がある伊丹空港より圧倒的に便利」と、神戸を評価。対岸の関西空港が24時間運用であるのに対し、神戸は午前7時から午後10時までで、発着枠も1日30往復と制約があることから、これらの緩和に期待感を示した。

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