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エアアジア・ジャパン、新経営陣に前スカイマーク井手氏と有森氏

 2016年春の就航を目指すエアアジア・ジャパン(DJ)は11月30日、スカイマーク(SKY/BC)の井手隆司前会長と有森正和前社長を新経営陣に迎えると正式発表した。12月1日付で井手氏が代表権のある会長、有森氏がCFO(最高財務責任者)に就く。

エアアジア・ジャパンの会長に就任するスカイマーク前会長の井手氏(左)と前社長の有森氏=15年1月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 小田切義憲氏は、本紙既報の通りCEO(最高経営責任者)を辞任。アドバイザーとして残る。新CEOには、エアアジア・ジャパンの秦修(はた・おさむ)前CFOが昇格する。

 同社では新経営陣について、経営体制強化と説明。エアアジアグループのトニー・フェルナンデスCEOは、「安全で快適な空の旅を提供してくれるものと確信している」とのコメントを発表し、エアアジア・ジャパンに出資する楽天(4755)の三木谷浩史会長兼社長は、「日本市場での成功を確信している」とのコメントを寄せた。

 井手氏はスカイマークの再建で、全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)の大手2社とは距離を置く、第三極としての航空会社の存続にこだわった。エアアジア・ジャパンへの経営参画も、国内での第三極の確立が狙いとみられる。

 エアアジア・ジャパンの議決権ベースの出資比率は、筆頭株主のエアアジア・インベストメントが33%、楽天(4755)とノエビアホールディングス、アルペンの3社が18%ずつ、フィンテック グローバル トレーディングが13%となっている。

 同社は中部空港(セントレア)を拠点に、2016年4月上旬に札幌(新千歳)、仙台、台北(桃園)の3路線を同時開設する計画を進めている。10月6日には、国土交通省航空局(JCAB)から航空会社として就航するために必要となる、航空運送事業の許可(AOC)を取得。初号機のエアバスA320型機(登録番号JA01DJ)は、10月16日に中部へ到着している。

 当初は今年6月の就航を目指していたが、訪日需要の取り込みに絞った戦略に変えたことや、国内線と国際線を同時就航させる計画に変更したことなどで、就航が遅れている。日本市場への再参入を目指すエアアジアは、就航を待たずにトップが交代した。

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【お知らせ】
4段落目を追記しました。(15年11月30日 19:15 JST)