EASA(欧州航空安全庁)は現地時間6月22日、エアバスA380型機の主翼中間スパー(桁)を追加点検するよう求めるEAD(緊急耐空性改善命令)を発行した。過去に実施した主翼スパーの点検結果を精査したところ、一部の機体で見つかった亀裂が主翼の構造健全性を低下させる可能性があると判断した。24日付で発効した。

主翼スパー亀裂で16機が追加点検対象となったA380=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
対象はロールス・ロイス製Trent 900(トレント900)系エンジンを搭載するA380-841とA380-842、エンジン・アライアンス製GP7200系を搭載するA380-861のうち計16機。EASAは、MSN(製造番号)190、202、203、209、228の5機を「グループ1」、残る11機(MSN30、42、55、56、105、142、184、187、208、227、234)を「グループ2」に分類した。
日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)がA380を3機保有。青(ANAブルー)の初号機(登録記号JA381A、MSN262)、深緑(エメラルドグリーン)の2号機(JA382A、263)、オレンジ(サンセットオレンジ)の3号機(JA383A、266)は、今回EASAが示した対象機に含まれていなかった。
グループ1の5機は、いずれもエミレーツ航空(UAE/EK)が2016年から2017年に受領した機体。今回のEAD発効後、次の飛行前にエアバスへ連絡し、主翼中間スパーの特別詳細検査を実施する。検査場所へ移動するためのフェリーフライトは最大3飛行サイクルまで認めるが、乗客を乗せないことと、ETOPSによる運航ではないことを条件とする。
グループ2の11機は、1機がカンタス航空(QFA/QF)の機体(VH-OQI、55)で、残りはエミレーツ機。EAD発効後25飛行サイクル以内に同様の検査を実施する。検査で異常が見つかった場合は、次の飛行前にエアバスへ連絡し、同社が指定する期限内に修理する。
検査結果は、異常がなかった場合を含め、検査後7日以内か、EAD発効後7日以内のいずれか遅い方までにエアバスへ報告する。EASAは今回のEADを暫定措置としており、今後さらにAD(耐空性改善命令)を発行する可能性があるとした。
EASAは、これまでにもA380の主翼スパー点検を求める複数のADを発行しており、直近では2025年12月にAD「2025-0280」を発行していた。今回の安全評価では、通常の意見募集手続きを経ず、直ちに発行して関係者へ通知する必要があると判断した。
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