ボーイングは現地時間6月3日、空中給油・輸送機KC-46A「ペガサス」のRVS(Remote Vision System:遠隔視認システム)を改良した「RVS2.0」について、初期飛行試験の第1段階を完了したと明らかにした。認証と導入に向けた工程が進んだという。

RVS2.0の初期飛行試験を終えたKC-46(ボーイングの動画から)
RVSは、空中給油時にブーム操作員が機体後方の受油機を確認するための遠隔視認システム。KC-46Aでは、RVSの不具合が課題となっており、改良版のRVS2.0を開発している。
RVS2.0は、4K Ultra HDの3D表示を採用し、幅広い運用環境で機能するよう設計。ブーム操作員に、より現実に近い視界を提供し、空中給油時の任務遂行を支援する。
今回の飛行試験は、研究室での開発後に改修した試験機で実施。堅牢化したカメラの光学性能や、制御・処理ハードウェアの成熟度を確認し、次世代の空中給油操作員ステーションも含めて検証した。
ボーイングは、RVS2.0の設計・開発で米空軍のブーム操作員や技術者と協力。米空軍との覚書に基づき、KC-46Aの稼働率への影響を抑えながら、RVS2.0の全機隊への導入を加速させる。

F-15に空中給油するKC-46(ボーイング提供)

RVS2.0の初期飛行試験を終えたKC-46(ボーイングの動画から)
関連リンク
KC-46A Pegasus [1](Boeing)
U.S. Air Force [2]
日米が考える空中給油機の条件
・A330MRTTより小回りきくKC-46 特集・日米が空中給油機に求める条件 [3](24年10月26日)
A330MRTTの現状
・A330MRTT、自動空中給油の認証7月取得へ A330neoのMRTT+も [4](25年5月11日)
KC-46Aの課題
・KC-46A、空自向け5-6号機は年内納入へ RVS2.0は27年 [5](25年5月21日)
・空中給油の肝・遠隔視認システム改善は2026年か 特集・KC-46Aが抱える”持病”のいま [6](24年9月17日)
最大9機売却承認
・米政府、日本へKC-46A最大9機売却承認 [7](24年9月14日)
KC-46A
・防衛省、KC-46AとF-35Aの空中給油トラブルで再発防止策 ブーム格納できず着陸 [8](24年12月3日)
・KC-46、米空軍から15機追加受注 11ロット目で168機に [9](24年11月22日)
・KC-46A、世界一周45時間の無着陸飛行成功 [10](24年7月16日)
・米空軍、KC-46の通信機能強化 ボーイングと改修契約 [11](23年4月2日)
・ボーイング、KC-46A初納入 マッコーネル空軍基地に到着 [12](19年1月28日)
・KC-46A、FAAの認証取得向け飛行試験完了 [13](18年4月27日)
・米空軍KC-46A、納入機材で初飛行 18年引き渡しへ [14](17年12月13日)
・ボーイングと米空軍、KC-46空中給油機の初飛行成功 [15](14年12月29日)