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ジェットスター・ジャパン、A321LR就航延期 新型コロナで需要減

 ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)は、今夏に予定していたエアバスA321LRの就航を延期する。成田-札幌(新千歳)線など高需要の国内幹線から投入し、中距離国際線への参入を見据えた機材だが、新型コロナウイルスの影響で需要が減少していることから計画を見直した。延期後の就航時期は未定。

ジェットスター・ジャパンのA321LRの模型=19年11月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 A321LRは、新型エンジンで燃費を向上させたA321neoの航続距離延長型。最大離陸重量(MTOW)を97トンに引き上げ、3個目の中央燃料タンクを追加することで航続距離を約7408キロ(4000海里)に延長できるようになる。

 ジェットスター・ジャパンの機体は座席数が1クラス238席で、現行機のA320ceo(A320従来型、1クラス180席)と比べて58席増える予定。MTOWは93.5トン、航続距離は約5500キロとなり、エンジンはCFMインターナショナル製「LEAP-1A」を採用する見通し。当初は今年から受領を開始し、2021年夏ごろまでに3機がそろう計画だった。

 2019年11月の発表では、成田空港を発着する札幌や福岡、那覇など通年で高需要の国内線から投入し、国際線に拡大していくとしていた。航続距離が3000キロのA320ceoと比べて2倍近い5500キロになるため、東南アジア全域と中国本土のほぼ全域、インド東部にも就航できるようになる。

 シートは独レカロのBL3710を導入予定。シートピッチは従来とほぼ同様の28インチ(71.12センチ)から39インチで、各席に充電用USB端子を設ける。

 現在の機材はA320ceoが25機。新型コロナの影響による運休や減便が解除後は、国内線23路線と国際線6路線を運航する体制に戻る見通し。一方、関西-高知線は5月のゴールデンウイーク明けから運休が続いている上、航空券販売をやめており、23路線には含まれていない。

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