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ANA、777国内線新仕様機公開 モニター・電源付き新シート

 全日本空輸(ANA/NH)は、国内線用ボーイング777-200型機の新仕様初号機(登録記号JA715A)を、11月16日から羽田-福岡線などの幹線に投入する。新シートを採用し、上級席「プレミアムクラス」と普通席ともに個人用モニターや電源コンセントを設けた。

777-200ERの新プレミアムクラスを紹介するANAの客室乗務員=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新シートは777-200のほか、787-8にも導入。新仕様機の座席数は、777-200は2クラス392席(現行は405席)で、プレミアムクラス28席(同21席)と普通席364席(同384席)で、プレミアムが7席増えて普通席が20席減る。787-8は2クラス312席(同335席)でプレミアム28席(同12席)と普通席284席(同323席)で、プレミアムが16席増えて普通席が39席減少する。

—記事の概要—
両クラス個人用画面と電源完備
777-200が8機、787-8が11機

両クラス個人用画面と電源完備

 プレミアムクラスは、サフラン・シート・US(旧ゾディアック・シート・US)製シートを採用。表面を現行の革張りから布地に変更することで、滑りにくくした。個人用モニターは、ANAの国内線用中大型機では最大サイズとなる15.6インチのタッチパネル式のものを採用した。座席配列は2-3-2席の1列7席となる。

リクライニングしたANAの777-200ERの新プレミアムクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 座席幅はクラス最大となる56センチで、3人掛け中央のみ52センチ。電動リクライニングのほか、座席横にペットボトルなどが収納できる小物入れを設け、電源コンセントと充電用USB端子を設置し、テーブルは90度回転する大型のものを採用した。座席間には大型ディバイダー(間仕切り)を設置し、プライバシーを確保した(プレミアムクラス新シート写真特集 [1])。

 普通席はトヨタ紡織製。大柄な人から小柄な人まで、どのような体格の人が座ってもフィットするよう、背もたれのフレーム形状を最適化したり、座面を低くした。また、11.6インチの個人用モニターを採用し、テーブルのカップホルダーはクローバー型に変更することで、紙コップを取り出しやすくした。座席配列は3-4-3席の1列10席となる。

 トヨタ紡織がANAのシートを手掛けるのは、国内線用767-300向け普通席に続いて2件目。座面を低くする工夫は、767のシートを踏襲している。

 電源コンセントと充電用USB端子も設置。小物入れは中が見えるようにし、スマートフォンなどを入れても忘れにくくした(普通席新シート写真特集 [2])。10月には、今年度のグッドデザイン賞を受賞している。

 また、今年4月に中距離国際線に就航した787-10と、8月に就航した長距離国際線用となる777-300ER新仕様機、今回就航する国内線新仕様機は、機内のデザインコンセプトを国際線と国内線で連続性があるものにした。プレミアムクラスは、777-300ER新仕様機の機内デザインを監修した、英国のデザイン会社Acumen(アキュメン)が監修。普通席は、787-10や777-300ER新仕様機のエコノミークラスと同じく、布地の柄を色は同じでも3席または4席ごとの組み合わせが1ブロックごとに異なるデザインにしている。

11.6インチの個人用モニターを完備しカップホルダーがクローバー型になったANAの777-200ERの新しい普通席=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

777-200が8機、787-8が11機

 新仕様機の初便は、羽田を午前8時20分発の福岡行きNH243便。その後は折り返しの福岡午前11時20分発NH250便で羽田へ戻り、羽田午後2時発伊丹行きNH27便、伊丹午後4時発羽田行きNH32便、羽田午後6時発札幌(新千歳)行きNH75便とフライトし、札幌午後8時30分発羽田行きNH82便で初日のフライトを終える。

777-200ERの新しい普通席を紹介するANAの客室乗務員=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新シートを採用する機材は、777-200が8機、787-8が11機で、2022年度上期までに順次導入。大型機の777-200は最初に投入する羽田-福岡線や、伊丹線、札幌(新千歳)線、那覇線などの幹線に投入し、787-8は幹線に加えて地方路線でも使用する。

 競合の日本航空(JAL/JL、9201)は、9月1日からエアバスA350-900型機を羽田-福岡線に就航させ、冬ダイヤ初日の10月27日からは羽田-札幌線にも投入、2020年2月1日からは羽田-那覇線に就航させる(関連記事 [3])。また、羽田-伊丹線には、同社初の787-8国内線仕様機を10月27日から投入しており、機材の若返りを進める(関連記事 [4])。

*写真は10枚(運航スケジュールは写真下に掲載)。
*写真特集はプレミアムクラスがこちら [1]、普通席はこちら [2]
*就航初日の普通席搭乗記はこちら [5]


ANAの777-200ERの新プレミアムクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

テーブルに13インチのMacBook Proを置いたANAの777-200ERの新プレミアムクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

15.6インチのタッチパネル式個人用モニターを完備するANAの777-200ERの新プレミアムクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの777-200ERの新しい普通席=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

11.6インチの個人用モニターを完備するANAの777-200ERの新しい普通席=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの国内線新仕様機の初号機となった777-200ER JA715A=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

777-200国内線新仕様機の19年運航スケジュール
11月16日から30日まで、12月27日から31日まで
NH243 羽田(08:20)→福岡(10:15)
NH250 福岡(11:20)→羽田(13:00)
NH27 羽田(14:00)→伊丹(15:05)
NH32 伊丹(16:00)→羽田(17:10)
NH75 羽田(18:00)→札幌(19:35)
NH82 札幌(20:30)→羽田(22:10)

12月1日から26日まで
NH241 羽田(07:25)→福岡(09:30)
NH248 福岡(10:20)→羽田(11:55
NH65 羽田(13:00)→札幌(14:35)
NH68 札幌(15:30)→羽田(17:10)
NH75 羽田(18:00)→札幌(19:35)
NH82 札幌(20:30)→羽田(22:10)

関連リンク
全日本空輸 [6]
トヨタ紡織 [7]

ANA 777国内線新仕様機の動画ニュース(YouTube Aviation Wireチャンネル [8]
ANA、777国内線新仕様機公開 個人モニターと電源付き新シート [9]

搭乗記・ANA 777国内線新仕様機
前編 疲れにくい画面付き普通席 [5]

写真特集・ANA国内線777新シート
プレミアムクラス編 15.6インチモニターと落ち着いた空間 [1]
普通席編 骨盤支えて疲れにくい全席画面・電源付きシート [2]

写真特集・ANA国内線777・787新シート
プレミアムクラス編 15インチモニターと電動リクライニング [10](19年6月4日)
普通席編 骨盤支えて疲労軽減 [11](19年6月8日)

搭乗記・ANA新ビジネスクラスTHE Room
前編 幅広シートでリビングのような個室空間 [12]
後編 iPhoneがリモコンになる4Kモニター [13]

THE Room機内の様子
写真特集・ANA個室ビジネスTHE Roomと客室乗務員 [14]

写真特集・ANA新777-300ER
(1)43インチ4Kモニターと引き戸付き個室ファーストクラス [15]
(2)ドア付き個室ビジネスクラス [16]
(3)世界最大の個人モニター備える1列10席エコノミー [17]
(4)木目調パネルで落ち着いた空間 [18]

777-300ER新客室公開
ANA、国際線777新客室公開 隈研吾氏監修、ビジネスは前後互い違い新配列 [19]