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ボーイング、737MAX墜落遺族支援で1億ドル拠出へ

 ボーイングは現地時間7月3日、737 MAXで起きた2件の墜落事故で犠牲となった遺族や地域社会への支援として、総額1億ドル(約108億円)を数年間にわたり拠出すると発表した。

737 MAX墜落事故の遺族支援で1億ドルを拠出するボーイング=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 737 MAXは、2016年1月29日に初飛行。最初に墜落した2018年10月29日のライオン・エア(LNI/JT)のJT610便(737 MAX 8、登録記号PK-LQP)事故と、今年3月10日に起きたエチオピア航空(ETH/ET)のET302便(737 MAX 8、ET-AVJ)事故で、合わせて346人が亡くなった。

 ボーイングは今回の基金について、遺族の教育や生活支援、地域社会の経済発展などに充てるとしており、地方自治体や非営利団体と支援していくという。

 2件の墜落事故は、737 MAXで新たに採用した失速防止システム「MCAS: Maneuvering Characteristics Augmentation System(操縦特性向上システム)」が主な要因とみられており、ボーイングはソフトウェアの改修を進めている。一方、ソフトウェアの開発段階から問題があったことなどがブルームバーグなどで報じられており、運航再開時期は明確になっていない。

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