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737 MAXの墜落調査、仏で開始 エチオピアが米国に不信感、ボーイングは納入停止

 エチオピア航空(ETH/ET)は現地時間3月15日、10日に墜落したアディスアベバ発ナイロビ行きET302便のボーイング737 MAX 8(登録記号ET-AVJ)の事故調査が、BEA(フランス航空事故調査局)で始まったことを明らかにした。

墜落したエチオピア航空の737 MAX 8から回収されたフライトレコーダー(BEAのTwitterから)

 ET302便の墜落事故では、乗客149人と乗員8人の計157人が全員死亡。エチオピア当局は、事故機のフライトレコーダー(DFDR)とボイスレコーダー(CVR)を翌11日に回収し、14日にBEAがあるパリへ送った。

 米国製の航空機が事故を起こした場合、NTSB(米国家運輸安全委員会)が事故調査にあたることが多く、今回のように機体の製造国でも、墜落場所でもない仏当局が担当するのは異例。各国の航空当局やEASA(欧州航空安全局)が事故直後から737 MAXの飛行停止を決定していく中、FAA(米国連邦航空局)の判断が後手にまわったことで、エチオピア政府や同社が米国に対し、不信感を募らせた形だ。

 FAAは、トランプ大統領が13日に737 MAXの運航停止を指示したことを受け、米国内での飛行停止を命じた。一方、ボーイングは事故後の声明で、当局の調査に協力する姿勢を示すとともに、737 MAXの安全性に自信があると繰り返している。

 ボーイングは14日に、737 MAXの航空会社などへの引き渡しを一時停止すると発表した。

関連リンク
Ethiopian Airlines [1]
Ethiopian Airlines [2](Twitter)
Bureau d’Enquêtes et d’Analyses [3]
Federal Aviation Administration [4]
Boeing [5]
ボーイング・ジャパン [6]

737 MAX墜落事故
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