日本エアコミューター（JAC/JC）のボンバルディアQ400（DHC-8-Q400）型機が11月30日、定期便の最終運航を迎えた。退役を記念した12月2日のチャーター便が、商業運航のラストとなる。
鹿児島空港に到着するJACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JACのレインボー塗装Q400（中央）の運航最終日に鹿児島空港で両脇に並ぶ鶴丸塗装のJA846C（左）とアーク塗装のJA843C＝17年4月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JACは戦後初の国産旅客機である日本航空機製造YS-11型機の後継機として、Q400を日本初導入。2003年2月1日に就航させた。座席数は1クラス74席で、初号機と2号機が旧日本エアシステム（JAS）の「レインボーカラー塗装」だった。JACが当時JASの子会社だったためで、2002年10月2日のJALとJASの経営統合（JAL/JAS統合）により、JACはJALグループに加わった。このため、3号機からは2002年導入の「アーク塗装」となり、その後は順次2011年4月導入の現行「鶴丸塗装」に、一部を除き塗り替えられた。
11機のうち最後まで残ったのは、2004年6月24日に受領した4号機（登録番号JA844C）と、2007年10月31日受領の最終11号機（JA851C）の2機。JA844Cは屋久島発鹿児島行きJC3750便（乗客26人）、JA851Cは沖永良部発鹿児島行きJC3808便（乗客76人、幼児2人含む）が最終便となった。
JACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便の乗客に手渡された搭乗証明書＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JACのQ400による最終定期便となったJC3808便は、定刻より10分遅れの午後5時45分に鹿児島空港へ到着した。当初は社員有志が横断幕を手に出迎えるなど、退役イベントを予定していたが、28日に飲酒による機長交代の影響で4便が遅延したことから中止となった（関連記事 [1]）。
今後は12月1日と2日の2日間にわたり、鹿児島－種子島間の退役チャーターツアーを実施。2日が最後の商業運航となる。その後、売却に向けて12月下旬にJA844Cの飛行試験、2019年1月下旬にJA851Cの飛行試験を実施し、米国の売却先へ順次フェリー（回航）する。
11月30日の定期便運航終了時点の総飛行サイクルは、JA844Cが3万6111サイクル、JA851Cが2万7542サイクル。総飛行時間は、JA844Cが2万8027時間24分、JA851Cが2万1507時間16分となった。
Q400の退役により、JACの機材は仏ATRのターボプロップ機ATR42-600（1クラス48席）が5機、ATR72-600（同70席）が1機、サーブ340B（同36席）が5機の計11機となった。340Bは2019年度内の退役予定で、ATR機9機に統一される。ATR72は12月1日に就航し、Q400の後継機として高需要路線に投入する。
＊写真は22枚。
＊定期便最終日の運航実績は写真下に掲載。
退役するJACのQ400 JA844C（右）＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
定期便の運航を終えたJACのQ400 JA844C＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
定期便の運航を終えたJACのQ400 JA844C（左）と着陸するJA851C＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鹿児島空港に着陸するJACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鹿児島空港に着陸するJACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鹿児島空港に着陸するJACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鹿児島空港の駐機場へ向かうJACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鹿児島空港の駐機場へ向かうJACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鹿児島空港に着陸するJACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鹿児島空港の駐機場に進入するJACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鹿児島空港に到着するJACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鹿児島空港に到着したJACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鹿児島空港に到着したJACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便の機内から地上のスタッフとやり取りする客室乗務員＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鹿児島空港に到着したJACのQ400最終定期便の沖永良部発JC3808便＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
鹿児島空港で定期便の運航を終えたJACのQ400を点検する整備士＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
定期便の運航を終えたJACのQ400（左）と12月1日に就航するATR72＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
定期便の運航を終えたJACのQ400 JA851C＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
定期便の運航を終えたJACのQ400 JA851C＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
定期便の運航を終えたJACのQ400 JA851C（手前）とATR72、ATR42、340B、Q400＝18年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
JA844C定期便最終日の運航実績（括弧内は定刻/実績）
JC3741 鹿児島（08:50/08:52）→屋久島（09:25/09:24）
JC3740 屋久島（09:50/09:52）→鹿児島（10:25/10:22）
JC3823 鹿児島（11:05/11:08）→与論（12:25/12:26）
JC3824 与論（12:55/13:03）→鹿児島（14:05/14:17）
JC3755 鹿児島（15:45/15:47）→屋久島（16:20/16:16）
JC3750 屋久島（16:45/16:44）→鹿児島（17:20/17:14）
JA851C定期便最終日（括弧内は定刻/実績）
JC3801 鹿児島（07:40/07:43）→沖永良部（08:55/08:54）
JC3800 沖永良部（09:25/09:29）→鹿児島（10:30/10:33）
JC3745 鹿児島（11:05/11:05）→屋久島（11:40/11:35）
JC3744 屋久島（12:05/12:02）→鹿児島（12:40/12:32）
JC3809 鹿児島（14:45/14:50）→沖永良部（16:00/16:02）
JC3808 沖永良部（16:30/16:41）→鹿児島（17:35/17:45）
関連リンク
日本エアコミューター [2]
Q Series [3]（Bombardier）
特集・JAC Q400退役チャーターツアー
前編 週1回水洗いで塩害防ぐ [4]（18年12月8日）
後編 旧種子島空港見学に屋久島ローパスも [5]（18年12月8日）
JACのQ400
・JAC、Q400退役チャーターで種子島の旧空港見学 [6]（18年10月1日）
・JAC、レインボーQ400退役 旧JAS塗装すべて消える [7]（17年4月30日）
・旧JASとアーク、鶴丸そろう 写真特集・JACレインボーQ400退役（前編） [8]（17年5月2日）
・旧JAS塗装36年の歴史に幕 写真特集・JACレインボーQ400退役（後編） [9]（17年5月6日）
JACのATR72
・JAC、ATR72就航 19年度サーブ退役で機材統一 [10]（18年12月1日）
・JACのATR72、鹿児島到着 日本初導入、12月就航 [11]（18年11月8日）
・「Q400後継として活用」写真特集・JAC ATR72鹿児島到着 [12]（18年11月9日）
RACのQ400CC
・RAC、Q400CCに機材更新完了 5機体制に、離島の通販需要支える [13]（18年2月1日）
・RAC、Q400CC就航 沖縄特産品の輸送強化 [14]（16年4月16日）
・“開かずの扉”で貨物室拡大 写真特集・RACが世界初導入ボンバルディアQ400CC [15]（16年4月5日）
・RAC、Q400CC公開 貨物室2.5倍「魚積んでも匂わない」 [16]（16年3月31日）
ANAウイングスのQ400
・緑色のANA機「エコボン」が運航終了 7年で再塗装、青色に [17]（18年3月13日）
・最後に残った緑のANA機 写真特集・さよならエコボン [18]（18年3月20日）