- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

JAL飲酒副操縦士、英で禁錮10カ月

 日本航空(JAL/JL、9201)は、英国の法令に定められた値を超えるアルコールが乗務前に検出され、現地警察に身柄を拘束された男性副操縦士について、日本時間11月29日夜にロンドンの裁判所が禁錮10カ月を言い渡したことを明らかにした。

副操縦士の飲酒について陳謝するJALの赤坂社長(右)と進専務=18年11月16日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 副操縦士が逮捕されたのは、現地時間10月28日(日本時間29日)。ロンドンを28日午後7時発の羽田行きJL44便に、機長2人とともに3人で乗務予定だった。しかし、飛行機へ向かう送迎バスの運転手が、ホテルから空港内にあるJALの事務所へ向かう際、副操縦士からアルコール臭を感じたため、現地警察が検査を実施。英国の規定値0.09mg/lに対し、約10倍の0.93mg/lと、規定を大きく超えるアルコール量が呼気検査で検出され、血中濃度検査でも規定値の200mg/lの9.5倍にあたる1890mg/lのアルコールが検出されたことから、身柄を拘束された。

 JALは30日未明、判決を受け「皆さまにご心配とご迷惑をおかけしましたことを重ねてお詫び申し上げます。当該副操縦士に対しまして、禁錮10カ月という大変重い判決が言い渡されたことにつきましては、個人の意識の甘さのみならず、弊社が管理監督責任を果たせていなかった結果でもあり、慚愧の念に堪えません。本事案の重大性をあらためて認識し、二度とこのような事案を引き起こさないよう、再発防止に向けた取り組みを徹底してまいります」と、声明を発表した。

 経営陣をはじめ、関係者の処分は30日午後3時に発表する(発表内容はこちら [1])。

関連リンク
運航乗務員の飲酒による法令違反に関する調査経過と再発防止策について [2](JAL)
日本航空 [3]

懲戒解雇
JAL、飲酒の副操縦士を懲戒解雇 禁錮10カ月、赤坂社長ら減給 [1](18年11月30日)

国交省が立入検査
国交省、JALとANAに立入検査 パイロット飲酒で [4](18年11月27日)

JALとANAが再発防止策提出
JAL飲酒副操縦士「酒は飲んでいない。マウスウォッシュだ」 国交省に報告書と防止策提出 [5](18年11月16日)
ANA、飲酒量を明文化 ビール1リットル、国交省に対応策 [6](18年11月16日)

JALの飲酒トラブル
JAL、逮捕の副操縦士がマウスウォッシュ使用 酒臭さ消すためか [7](18年11月19日)
JALグループ、パイロット飲酒で16件遅延 昨夏の新型検知器導入後 [8](18年11月17日)
飲酒で拘束されたJAL副操縦士、29日に判決 国交省は基準強化 [9](18年11月2日)
JAL副操縦士、英国で拘束 乗務前アルコール検査基準を大幅超過 [10](18年11月1日)
JALの男性CA、乗務中にビール 利用客が指摘 [11](18年6月6日)

JACの飲酒トラブル
JAC、機長飲酒で遅延 4便に影響 [12](18年11月28日)

ANAの飲酒トラブル
ANAウイングス、飲酒機長を諭旨退職 [13](18年11月9日)
ANA、子会社パイロット飲酒で5便遅延 [14](18年10月31日)
ANA、パリ支店長が酒酔いで乗客けが ワイン6杯、諭旨解雇 [15](18年10月5日)

【お知らせ】
1段落目の誤字を修正しました。(18年11月30日 09:03 JST)