国土交通省航空局(JCAB)は、6月10日に非公開で開いた「羽田空港D滑走路破損事案対策検討委員会」の初会合の議事概要を公表した。委員からは、滑走路の埋立部と桟橋部をつなぐ接続部のゴムジョイントの破損と、航空機のタイヤバーストとの因果関係を立証するのは難しい可能性があるものの、予断を持たず、あらゆる可能性を排除せず検証すべきだとの意見が出ていたことが分かった。破損原因の究明結果を踏まえ、目視以外の点検方法も検討すべきとの指摘もあった。

D滑走路接続部ゴムジョイント損傷発生時の状況(国交省の資料から)
原因究明では、航空機の走行位置や接続部に荷重が加わる頻度などの客観的なデータを幅広く収集し、検証を進める必要があるとの意見が出た。タイヤバーストが発生する条件や頻度を整理するとともに、ゴムジョイントの設計時に想定した外力と、供用後に実際に加わった外力の違いを確認すべきだとの指摘もあった。
国交省が実施した予防保全措置については、委員から妥当との見方が示された。一方、鋼製部材を撤去したことで既設部材と構造条件が変化した部分について、周辺への影響を含めて継続的に監視し、必要に応じて予防保全措置の方法を見直すべきだとの意見が出た。

運用を再開した羽田空港のD滑走路=26年5月29日15時44分 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
D滑走路では、5月25日にスカイマーク(SKY/BC、9204)機、29日に日本航空(JAL/JL、9201)機のタイヤがバーストした。29日のJAL機の事案後、埋立部と桟橋部をつなぐ接続部で、ゴムジョイントの鋼製部材がめくれ上がっているのが見つかった。
破損箇所では約4年前の2022年8月から表面ゴムの損傷を把握し、2023年9月以降は変状が進行していないとして経過観察していた。国交省は破損後、表層ゴムが剥離していたほかの部材でも、破損箇所と同様に鋼製部材を撤去し、空洞に常温補修材を充填する予防保全措置を実施。ゴムジョイントの点検も月1回から週2回へ強化している。
検討委の委員長は福手勤・東洋大学名誉教授で、委員は平田輝満・茨城大学大学院理工学研究科都市システム工学領域教授、山路徹・港湾空港技術研究所構造研究領域長が務める。

D滑走路破損事案の概要(国交省の資料から)

羽田空港D滑走路の概要(国交省の資料から)

D滑走路接続部ゴムジョイントの概要(国交省の資料から)

D滑走路接続部ゴムジョイント損傷発生時の状況(国交省の資料から)

SKY19便タイヤバーストに伴う羽田引き返し事案(国交省の資料から)

JAL645便タイヤバーストに伴う成田ダイバート事案(国交省の資料から)

D滑走路損傷事案発生の点検概要(国交省の資料から)

D滑走路損傷事案発生の点検概要(国交省の資料から)

D滑走路損傷事案発生の点検概要(国交省の資料から)

D滑走路接続部ゴムジョイントの緊急対策(国交省の資料から)

羽田空港D滑走路破損事案対策検討委員会の進め方(国交省の資料から)
関連リンク
国土交通省 [1]
検討委が初会合
・4年前からゴムジョイント損傷把握 特集・羽田D滑走路タイヤ破裂トラブル [2](26年6月15日)
・羽田D滑走路トラブル、検討委の初会合 タイヤ破裂相次ぎ関係検証=国交省 [3](26年6月10日)
当紙スクープ
・【独自】JALとスカイマーク便タイヤ不具合、羽田D滑走路の継ぎ板が原因か [4](26年5月30日)
・羽田D滑走路、重大事故招くタイヤ「パンク」パリではコンコルド墜落 [5](26年5月31日)
2件のバースト
・JALの767、タイヤ不具合で引き返し成田に代替着陸 羽田D滑走路離陸で2件目 [6](26年5月29日)
・スカイマーク福岡行きBC19便、タイヤトラブルで羽田引き返し C滑走路が2時間閉鎖 [7](26年5月25日)