ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)は、エアバスA320neoファミリー向けエンジン米プラット&ホイットニー(PW)製「PW1100G-JM」に対し、FAA(米国連邦航空局)が発行した新たな耐空性改善命令(AD)について、1月16日午前の段階で「内容を精査中」と回答した。
*運航に影響なしと判明。記事はこちら [1]。

ANAのA321neo=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ADは、PW1100Gでファンブレードの破損事例が複数報告され、このうち3件でエンジンカウル内や漏えいした燃料による火災が発生したことを受けたもの。ファンブレード破損に伴う燃料漏れからエンジン火災に至るリスクを低減するため、燃料配管のクランプ一時撤去や熱管理システム(TMS)マウントの交換などを求める内容で、2月17日に発効する。FAAは米国登録機に対象エンジンが計586基搭載されていると試算した。
日本の航空会社が運航するA320neoとA321neo、A321LRのうち、PW1100Gを選定したのはANAのA320neoとA321neoのみ。そのほかの航空会社のA320neoファミリーは、CFMインターナショナル製「LEAP-1A」を選択しており、今回のADの対象にはならない。
PW1100Gは、A320neoや長胴型のA321neo、短胴型のA319neoなど、A320neoファミリーに搭載するエンジンで、米RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)傘下のPWと一般財団法人日本航空機エンジン協会(JAEC)、独MTUアエロエンジンズが設立した合弁会社IAE(インターナショナル・エアロ・エンジンズ)が主体となり、2011年から開発を開始し、型式証明はIAEが取得した。JAECの製造割合は全体の23%で、三菱重工航空エンジン、IHI(7013)、川崎重工業(7012)が参画している。
PW1100Gは、2023年にも不具合が発覚。世界的に点検作業による欠航などが生じた。ANAHDの芝田浩二社長によると、この時の改修作業はほぼ完了しており、「足元で3機程度まで減少している」という。
関連リンク
FAA [2]
Pratt & Whitney [3]
Pratt & Whitney Geared Turbofan [4]
日本航空機エンジン協会 [5]
今回のAD詳報
・FAA、A320neo向けPW1100Gに耐空性改善命令 エンジン火災リスク [6](26年1月15日)
・ANA、A320neo系列の運航影響なし PW1100G問題 [1](26年1月16日)
PW1100G問題
・ANA国内線、PWエンジン減便解消へ 787-10導入加速=24年度計画 [7](24年1月23日)
・ANA、PWエンジン減便最多は2月 1-3月に22路線2412便 [8](23年11月1日)
・PWエンジン問題で高圧系ディスク交換 ANA機14%、国内他社影響なし [9](23年11月1日)
・ANA、PWエンジン問題で2412便欠航へ A320neoとA321neo全33機が点検対象 [10](23年10月31日)