ボーイングのケリー・オルトバーグ会長兼CEO(最高経営責任者)は、小型機737 MAXのうち開発中の737-7(737 MAX 7)と737-10(737 MAX 10)の「型式証明(TC)」取得について、2026年中の取得を目指して順調に推移しているとの見方を示した。

2018年のファンボロー航空ショーで飛行展示を披露する737 MAX 7=18年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
2機種のうち、737-7は2026年1-3月期(第1四半期)の認証取得と納入開始を計画。オルトバーグ氏は、モルガン・スタンレー証券が現地時間9月11日に開いた投資家向け会議で、「認証設計や必要な作業の整理を進めており、来年中の認証取得と引き渡しを計画している」と、両機種の進捗状況に言及した。
737-7で問題となっているエンジン防氷(EAI: Engine Anti-Ice)システムの設計変更については、FAA(米国連邦航空局)との協議が進行中であり、認証に向けた手続きを進めているという。
両機種について、「時間がかかったのは残念だが、今では堅牢な設計ができている。将来の計画の基礎として、自信を持って進められる」と語った。
FAAは現在、737 MAXファミリーの月産機数を最大38機に制限。2024年1月に米ポートランドで起きたアラスカ航空(ASA/AS)が運航するボーイング737-9(737 MAX 9、登録記号N704AL)のドアプラグ脱落事故を受けた措置だが、オルトバーグ氏は年末までに月産42機に増産する方針を示した。
日本国内では、737-10はスカイマーク(SKY/BC、9204)が発注しているが、737-7を発注した航空会社はない。
オルトバーグ氏は同会議で、開発中の大型機777-9(777X)の納入開始がさらに遅れるとの見方も示した(関連記事 [1])。

737 MAXでもっとも小さい737-7=18年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

737 MAXでもっとも大きい737-10=22年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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