インド航空操縦士協会(ALPA-I)は、インドの事故調査当局であるAAIB(航空事故調査局)が現地時間7月12日に公表したエア・インディア(AIC/AI)AI171便(ボーイング787-8型機、登録記号VT-ANB)墜落事故の中間報告書について、パイロットの過失を前提とした調査姿勢を批判した。少なくともオブザーバーとして調査に参加できるよう、改めて求めた。

離陸直後に墜落したエア・インディアのアーメダバード発ロンドン・ガトウィック行きAI171便の787-8(CISF提供)
中間報告書では、787のコックピットにあり、燃料を遮断する燃料制御スイッチが離陸直後に操作された可能性が示唆されている。
また、FAA(米国連邦航空局)がこのスイッチのロック機能に関するSAIB(特別耐空情報公報)を2018年12月17日に発行していたが、エア・インディアではSAIBが助言的で義務的ではなかったとして、指摘された検査は実施されなかったと、中間報告書には記載されていた。2023年以降、787-8でこのスイッチに関する欠陥は報告されていないとしている。
ALPA-Iは「中間報告書の口調と方向性は、パイロットの過失に偏っているように見える。我々はこの前提を断固として否定し、公正かつ事実に基づいた調査を求める」として、少なくともオブザーバーとして調査に参加できるよう、改めてインド当局に求めた。
ロイター通信の報道によると、FAAは今回の中間報告書公表を受け、燃料制御スイッチに不具合がある前提での検査を求める指示を出す考えがないことを、各国の航空当局などへ通知したという。
関連リンク
ALPA India [1]
中間報告書
・エア・インディア機墜落事故、離陸直後に燃料遮断か インド当局が中間報告書 [2](25年7月12日)
AI171便墜落事故
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