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ANA、緑の787「グリーンジェット」お披露目 サステナビリティを機内外で表現

 全日本空輸(ANA/NH)は10月3日、環境に配慮した活動を表現する特別塗装機「ANA Green jet(ANAグリーンジェット)」(ボーイング787-9型機、登録記号JA871A)を羽田空港の格納庫でお披露目した。欧米を中心とした国際線に投入する。環境の概念を表現する「水と緑」をモチーフにした。緑色のANA機の登場は約4年ぶりで、11月には国内線機材として2機目(787-8、JA874A)が登場する見込み。

羽田空港でお披露目されたANAグリーンジェット 787-9 JA871A=22年10月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 グリーンジェットは国際線と国内線に1機ずつ投入。787-9は5日の羽田発サンフランシスコ行きNH108便が初便となる。CO2(二酸化炭素)排出抑制の一環として、機体には「サメの肌」をモチーフにしたニコンの「リブレットフィルム」を試験装着する。グリーンジェットを活用し、サステナブル(持続可能)素材を使ったヘッドレストカバーなどを採用した。

 ANAグループは中期経営戦略で掲げるESG(環境・社会・企業統治)経営を推進していくため、2021年6月にスローガン「ANA Future Promise」を制定。今年3月から機内食の調理時に出る残渣(ざんさ)の循環型化を行うなどの取り組みを進めている。

羽田空港でANAグリーンジェットをお披露目する井上社長ら=22年10月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エプロンを着用しANAグリーンジェットの機内を紹介する客室乗務員=22年10月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ANAのグループの機体は青を基調としたデザインで、緑色を配した機体は2018年3月12日に運航を終えた特別塗装機「エコボン」以来、約4年ぶりとなる。

 エコボンは、カナダのボンバルディアが製造するターボプロップ(プロペラ)機Q400(DHC-8-Q400)型機の特別塗装機で、全部で3機が7年3カ月にわたり緑色の塗装で運航していた。エコロジーの「エコ(Eco)」と、フランス語で「良い旅を!」を意味する「ボン・ヴォヤージュ(Bon Voyage)」から名付けられ、ANAグループの通常塗装「トリトンブルー」をベースに、ブルーの部分を若葉をイメージしたグリーンに変更していた。運航終了後は通常塗装で復帰している。

*機内や外観の写真など詳報はこちら [1]

関連リンク
ANA Future Promise [2](全日本空輸)
全日本空輸 [3]

グリーンジェット詳報
4年ぶり緑のANA機グリーンジェット、サメ肌でCO2削減 [1](22年10月3日)

6月に発表
緑色のANA機、787で10月復活 環境活動をPR [4](22年6月3日)

緑色の「エコボン」
最後に残った緑のANA機 写真特集・さよならエコボン [5](18年3月20日)
緑色のANA機「エコボン」が運航終了 7年で再塗装、青色に [6](18年3月13日)

ANA Future Promise
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