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ANA、セブンイレブンとドローン配送実験へ 西多摩郡で11/29から

 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)とコンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパン、ドローンを開発するACSL(6232)の3社は、ドローンを活用した配送の実用化に向けた実証実験を東京都西多摩郡の日の出町で11月29日から12月19日まで実施する。セブンイレブンの「ネットコンビニ」で注文された商品を町内の店舗から公園などの配送先へドローンで運ぶ。

ANAホールディングスとセブンイレブンが東京・日の出町で実施するドローン配送実験のイメージ(ANAの資料から)

 政府が2022年度に「レベル4」と呼ばれるドローンの有人地帯での目視外飛行の実現を目指していることから、人口が集中する地域を含む郊外での配送実験を行う。利用者がネットコンビニで注文すると、セブンイレブン日の出大久野店の駐車場に設けた発着場から商品を積んだドローンが出発し、町内4カ所の発着場(ポート)のうち、利用者が指定した場所へ向かう。

 今回は配送料110円(税込)を設定し、日の出大久野店で扱う商品のうち、ドローンで運べるものが配送対象になる。実証実験は29日から始めるが、サービス提供は12月3日からを予定しており、注文は午前9時から午後4時まで受け付ける予定で、日の出町の住民を中心にサービスを提供する。

 4カ所用意するポートは、日の出団地2号公園、日の出団地3号公園、肝要の里、大久野病院で、利用者が受け取りやすい場所を指定する。

ANAホールディングスとセブンイレブンが東京・日の出町で実施するドローン配送実験の飛行区間(ANAの資料から)

 日の出町での実証実験は、東京都の「ドローンを活用した物流サービス等のビジネスモデル構築に関するプロジェクト」に採択されている。今回は店員がドローンへの商品搭載やバッテリー交換を実施し、実際に運用する際の課題を探るほか、店舗の駐車スペースを減らさずにドローンの発着スペースを確保する課題や、適正な配送料金の把握、システム連携の課題などを検証する。

 ANAHDでは、2022年度に全国の離島や山間地域でドローン物流の実用化を目指す。すでに長崎県や福岡県の離島で医薬品の配送などを検証している。

関連リンク
全日本空輸 [1]
セブン-イレブン [2]
ACSL [3]
日の出町 [4]

担当者インタビュー
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