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エンブラエル、リージョナル機の客室を貨物室に 一時転用改修

 エンブラエルは現地時間7月24日、同社のリージョナルジェット機を貨物機へ一時転用するソリューションを開発したと発表した。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響で旅客便の需要が減少した一方で、航空貨物を搭載するスペースが従来よりも必要とされていることから、客室の一部に貨物を積めるように改修するもの。

客室を貨物室に一時転用する改修ソリューションを発表したエンブラエル(同社資料から)

 対象機種は、エンブラエル170(E170)など「Eジェット」とERJ 145、EMB 120。客室のオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)や収納スペース以外に、一定の制限の下で各座席に積荷を置ける。96席仕様のE190の場合、床下の貨物室に加えて客室に6720ポンド(約3トン)の貨物を運べる。118席仕様のE195では、客室に貨物を8260ポンド(約3.7トン)積めるという。

 座席に積荷を置かず、貨物を床置きする構成も用意。客席の座席を最大70%取り外すことができ、当局の認証を取得した座席を固定するシートトラックに取り付けられるネットで貨物を固定する必要がある。このソリューションは、ブラジルのアズール・カーゴ向けにE195用のものが開発されている。

 客室貨物のペイロードは、ERJ145が最大1750ポンド(0.8トン)、E190-E2は最大5194ポンド(2.36トン)で、これ以上の貨物搭載が必要な場合は、客室を貨物室に改修する手順を示す「サービスブリテン(SB)」を提供できるという。

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Embraer [1]

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