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ピーチ、成田発着の国内線強化 森副社長「訪日需要もついてくる」

 ピーチ・アビエーション(APJ/MM)の森健明副社長は12月26日、成田空港を発着する路線の展開について、国内線を中心に拡大していく方針を示した。利用者から成田の国内線が少ないとの声が多く寄せられていることから、国内線を充実させることで訪日客の獲得や、首都圏のLCC需要取り込みにつなげていく。

ピーチの森副社長=19年12月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ピーチは26日に成田-石垣線と関西-奄美大島線を開設。いずれも統合前のバニラエアが運航していた路線で、2路線の開設によりバニラから引き継ぎ対象だった10路線の移管が完了した。

 成田空港で取材に応じた森副社長は、「国内線を増やすとアジア(からの訪日需要)もついてくる。成田の国内線を増やすのがわれわれの役割で、国際線と国内線が相乗効果をもたらす」と述べた。成田からLCCの国内線で全国各地へ渡航できるようにすることで、首都圏に住む利用者だけではなく、訪日需要の拡大にもつなげる。

 「国際線は成田のみならず、羽田の深夜、関空、新千歳、仙台、福岡、那覇と飛んでおり成田に集中しないが、国内線は成田の一番の強みにしなければならない。1社の努力では厳しいので、複数社のLCCでがんばる課題だ」と語った。

 一方で、2020年度に受領予定のエアバスA321LRを活用して参入する中距離国際線については、「中距離路線を関空から出すのか、成田から出すのかはまだ検討中だが、需要があれば成田から飛ばす用意がある」として、現状では本拠地の関空からバンコクやシンガポール、ベトナム、中国内陸部といった片道7時間以内の路線を検討していく。

 A321LRは新型エンジンで燃費などを改善したA321neoの航続距離延長型で、航続距離は約7408キロ(4000海里)と、大西洋路線にも投入できる能力を持つ。今年6月に開かれたパリ航空ショーでは、エアバスがさらに航続距離を伸ばしたA321XLRを発表しているが、ピーチはA321LRを2020年度内に2機受領する。2020年10-12月期に初号機を、2020年度内に2機目が引き渡される見通し。

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