バニラエア、函館撤退　ピーチへの統合開始

　ANAホールディングス（ANAHD、9202）傘下のバニラエア（VNL/JW）は3月30日、成田－函館線の運航を終了した。バニラの函館路線は成田1路線のみで、函館から撤退する。同じくANAHD傘下のピーチ・アビエーション（APJ/MM）との統合に伴い廃止する3路線のうちの1つで、函館線は最も早く廃止する路線となる。同路線の廃止により、ピーチへの統合がスタートした。

—記事の概要—
・770日間で20万人利用
・5月から段階的に移管

770日間で20万人利用

　同路線は1日1往復運航で、運休となった2018年冬ダイヤのスケジュールは、函館行きJW953便が成田を午後3時30分に出発し、午後5時5分に到着。折り返しの成田行きJW954便は、午後5時45分に函館を出発し、午後7時25分に着く。

　最終日となった30日の函館行きJW953便（エアバスA320型機、登録記号JA12VA）は142人が利用。成田を午後3時35分に出発し、午後5時7分に到着した。同日の成田行き最終便となったJW954便は145人を乗せ、午後5時44分に函館を出発し、午後7時24分に到着した。往復ともパイロット2人、客室乗務員4人で運航した。

　成田－函館線は2017年2月19日に就航。国内LCCとしては初の函館路線で、成田からの函館線は1978年5月20日の成田開港以来、初の路線となった。770日間で1448便を運航し、総提供座席数は26万640席、20万1175人が利用し、搭乗率はおよそ77.2％となった。

　バニラは2017年3月18日に、関西－函館線も開設。夏休みや年末年始などの繁忙期を中心に運航した。成田に次ぐ2路線目の函館路線だったものの、搭乗率が目標を下回ったため、2018年1月3日の運航を最後に運休した。

5月から段階的に移管

　バニラは成田－函館線を含め、国内線7路線と国際線6路線の計13路線を運航している。3月31日から始まる夏ダイヤでは函館線のほか、那覇－石垣線と、成田－香港線を廃止。残りの国内・国際5路線ずつ計10路線を、5月から段階的にピーチへ移管する。

　3路線のうち最も早く廃止するのが函館線で、那覇－石垣線と成田－香港線の2路線は5月31日の運航を最後に廃止となる。

＊写真は14枚。

運航スケジュール（定刻）
JW953 成田（15:30）→函館（17:05）
JW954 函館（17:45）→成田（19:25）

関連リンク
ピーチ・アビエーション ^[1]
バニラエア ^[2]

函館路線
・バニラエア、関西－函館運休　繁忙期のみ季節便 ^[3]（18年2月21日）
・バニラエアと成田空港、函館バーガー店とコラボ　ラッキーピエロ、就航記念で限定メニュー ^[4]（17年4月21日）
・バニラエア、関西－函館就航　19日間の季節便 ^[5]（17年3月18日）
・バニラエア、成田－函館就航　LCC初の開設 ^[6]（17年2月19日）
・バニラエア、函館2月就航　国内LCC初、成田と関西から ^[7]（16年11月22日）

3月1日に“結婚式”
・ピーチ、バニラと”結婚式”　なんばで就航7周年祭、ファンイベント初開催 ^[8]（19年3月1日）

特集・井上CEOに聞くピーチ/バニラ統合
後編 「ワイドボディー導入も検討」 ^[9]（18年12月30日）
前編 「成田は中期的に拡大」 ^[10]（18年12月28日）

ピーチとバニラ
・ピーチ、利用者投稿の情報サイト　小ネタ募集で旅行気軽に ^[11]（19年2月16日）
・バニラエア、最後の就航記念日　井上社長、ピーチ統合後「ゲームチェンジャーに」 ^[12]（18年12月20日）
・バニラのA320、操縦席をピーチ仕様に　3月めどに改修へ ^[13]（18年12月20日）
・バニラ、19年10月で終了　既存10路線ピーチに、函館など3路線廃止 ^[14]（18年12月17日）
・ピーチ、札幌－ソウル19年4月就航へ　バニラ運休で3路線再開 ^[15]（18年12月17日）
・ピーチとバニラ、那覇新ターミナルに移転　19年3月から供用開始 ^[16]（18年12月12日）
・バニラエア、新社長にピーチ井上CEO　統合向け役員体制変更 ^[17]（18年10月23日）
・ANA、ピーチへバニラ統合　本社一部を東京へ、中距離LCC進出 ^[18]（18年3月22日）
・ピーチ、初の制服リニューアル　就航6周年、機能性向上 ^[19]（18年3月1日）
・ANAホールディングス、ピーチを子会社化　片野坂社長「独自性維持する」 ^[20]（17年2月24日）