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墜落のエチオピア航空737 MAX、フライトレコーダーなど回収

 エチオピア航空(ETH/ET)は現地時間3月11日、墜落により乗客乗員157人全員が亡くなったアディスアベバ発ナイロビ行きET302便の737 MAX 8(登録記号ET-AVJ)のフライトレコーダー(DFDR)とボイスレコーダー(CVR)が、事故現場から回収されたことを明らかにした。

—記事の概要—
全乗客乗員が犠牲に
ライオン・エア墜落はセンサー異常

全乗客乗員が犠牲に

エチオピア航空の737 MAX 8のイメージイラスト(ボーイング提供)

 事故機は10日午前8時44分ごろ、エチオピアの首都アディスアベバ南東のオロミア州ビショフツ(デブラ・ゼイト)付近で消息を絶ち、墜落が確認された。乗客149人と乗員8人の計157人が全員死亡した。

 乗客の国籍は35カ国で、ケニア国籍が32人でもっとも多かった。カナダが2番目の18人、エチオピアが9人、中国とイタリア、米国が8人ずつ、フランスと英国が7人ずつ、エジプトが6人、ドイツが5人、インドとスロバキアが4人ずつ、オーストリアとロシア、スウェーデンが3人ずつ、スペインとイスラエル、モロッコ、ポーランドが2人ずつで、ベルギーとジブチ、インドネシア、アイルランド、モザンビーク、ノルウェー、ルワンダ、サウジアラビア、スーダン、ソマリア、セルビア、トーゴ、ウガンダ、イエメン、ネパール、ナイジェリアが1人ずつで、国連のパスポート保持者も1人いた。

 事故を受け、エチオピア航空は保有する737 MAX全機の運航を原因が判明するまで中止することを決定。中国の航空当局なども、事故原因が明らかになるまで自国の航空会社に運航しないよう指示している。

ライオン・エア墜落はセンサー異常

 737 MAXは737の発展型で、CFMインターナショナルの新型エンジン「LEAP-1B」を採用。翼端には新型ウイングレット「アドバンスト・テクノロジー・ウイングレット」を備え、燃費や航続距離を改良した。標準型となる737 MAX 8は、2016年1月29日に飛行試験初号機(N8701Q)が初飛行している。

 737 MAX 8は、日本の航空会社も数多く採用している737-800の後継機で、メーカー標準座席数は1クラス189席。もっとも胴体が短い機体で737-700の後継となる737 MAX 7(1クラス172席)、胴体が長い737-900ERの後継機737 MAX 9(同220席)、さらに胴体を伸ばした737 MAX 10(同230席)がある。

 エチオピア航空は、初号機を2018年7月に受領。ボーイングの受注リストによると、1月末時点で30機発注済みで、5機を受領している。

 737 MAXは、2018年10月29日にも墜落しており、今回で2件目。インドネシアのLCC大手、ライオン・エア(LNI/JT)のジャカルタ発パンカルピナン行きJT610便(737 MAX 8、PK-LQP)で、製造されたばかりの機体だった。

 JT610便の墜落では、機体の姿勢制御時に翼と対向する空気の流れの角度「迎角」を検出する「AOAセンサー(Angle of Attack sensor)」に問題があったことが判明。FAA(米国連邦航空局)が11月に、機体の安全性を確保するための整備や改修を指示する「耐空性改善命令(AD)」を発行している。

 日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が、今年1月29日に737 MAX 8を最大30機発注すると発表。日本の航空会社が導入するのは初めてで、2021年度から2025年度にかけて受領する。

 また、日系企業ではリース会社のジャパンインベストメントアドバイザー(JIA、7172)が、2017年8月に737 MAX 8を10機確定発注している。

 ボーイングは今回の737 MAX墜落事故を受け、今週13日にシアトルで予定していた次世代大型機777Xのロールアウト式典の延期を決めた。

関連リンク
Ethiopian Airlines [1]
Ethiopian Airlines [2](Twitter)
Boeing [3]
ボーイング・ジャパン [4]

エチオピア航空機事故
737 MAXの墜落調査、仏で開始 エチオピアが米国に不信感、ボーイングは納入停止 [5](19年3月15日)
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エチオピア航空、737 MAX初受領 [12](18年7月4日)

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737 MAX 8初飛行
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