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エチオピア航空の737 MAX墜落か ナイロビ行きET302便

 エチオピア航空(ETH/ET)は現地時間3月10日、同社のアディスアベバ発ナイロビ行きET302便のボーイング737 MAX 8型機(登録記号ET-AVJ、2クラス160席)が消息を絶ったと発表した。

消息が途絶えたエチオピア航空の737 MAX 8のイメージイラスト(ボーイング提供)

 発表によると、ET302便は現地時間10日午前8時38分(日本時間同日午後2時38分)に、エチオピアの首都アディスアベバのボレ国際空港を乗客149人と乗員8人を乗せて離陸。6分後の午前8時44分に、南東のオロミア州ビショフツ(デブラ・ゼイト)付近で連絡が途絶えたという。

 ET302便は墜落した可能性があることから、エチオピア航空のウェブサイトはつながりにくい状況が続いている。同社ではTwitterで最新情報を発信している。

 航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24」(flightradar24.com)などによると、事故機は2018年10月に初飛行。ET302便の機影は高度8600フィート(約2621メートル)を飛行する午前8時41分で途絶えている。

 737 MAX 8は、2018年10月29日にも墜落している。インドネシアのLCC大手、ライオン・エア(LNI/JT)のジャカルタ発パンカルピナン行きJT610便(737 MAX 8、PK-LQP)で、製造されたばかりの機体だった。同型機の墜落は、JT610便が初めてだった。

 737 MAXは737の発展型で、CFMインターナショナルの新型エンジン「LEAP-1B」を採用。翼端には新型ウイングレット「アドバンスト・テクノロジー・ウイングレット」を備え、燃費や航続距離を改良した。標準型となる737 MAX 8は、2016年1月29日に飛行試験初号機(N8701Q)が初飛行している。

 737 MAX 8は、日本の航空会社も数多く採用している737-800の後継機で、メーカー標準座席数は1クラス189席。もっとも胴体が短い機体で737-700の後継となる737 MAX 7(1クラス172席)、胴体が長い737-900ERの後継機737 MAX 9(同220席)、さらに胴体を伸ばした737 MAX 10(同230席)がある。

 エチオピア航空は、初号機を2018年7月に受領している。ボーイングの受注リストによると、1月末時点でエチオピア航空は737 MAXを30機発注済みで、5機を受領している。

 日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が、今年1月29日に737 MAX 8を最大30機発注すると発表。日本の航空会社が導入するのは初めてで、2021年度から2025年度にかけて受領する。

 また、日系企業ではリース会社のジャパンインベストメントアドバイザー(JIA、7172)が、2017年8月に737 MAX 8を10機確定発注している。

関連リンク
Ethiopian Airlines [1]
Ethiopian Airlines [2](Twitter)
Boeing [3]
ボーイング・ジャパン [4]
Flightradar24 [5]

ET302便事故
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エチオピア航空、737 MAX初受領 [13](18年7月4日)

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