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「Q400後継として活用」写真特集・JAC ATR72鹿児島到着

 日本の航空会社では初導入となる、仏ATRのターボプロップ機ATR72-600型機。日本エアコミューター(JAC/JC)の初号機(登録番号JA06JC)が11月7日、鹿児島空港へ当初の予定より4日遅れで到着した。30日で全機が退役するボンバルディアQ400(DHC-8-Q400)型機(1クラス74席)の後継機として、高需要路線に投入する。

退役したQ400(左)とサーブ340B(右)が並ぶ鹿児島空港の駐機場へ向かうJACのATR72-600。機首には通算1500機目のATR機であることを示すデザインが施された=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

11月末に退役するJACのQ400=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 鹿児島空港を拠点とする日本航空(JAL/JL、9201)グループのJACは、2015年6月に1クラス48席のATR42-600を発注。初号機(JA01JC)は2017年1月に受領し、これまでに5機が引き渡された。JACの特注仕様として、ストレッチャーを設置できるスペースを設けている。

 今回受領したATR72-600はATR42よりも胴体が長く、1クラス70席と座席数が22席増えた。両機種はタイプレーティング(機種別操縦資格)が共通で、スペアパーツも90%は共有できる。一方、客室乗務員は50席あたり1人が乗務するよう定められていることから、2人乗務になる。

 12月1日に就航予定で、鹿児島-屋久島線、沖永良部線、与論線の3路線に投入。初便は、1日午前7時25分に鹿児島を出発予定の沖永良部行きJC3801便となる見通し。

ATR72-600について説明するJACの加藤社長=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

 ATR72-600が到着したことで、JACの機材は退役済みのものも含めて15機となった。11月30日には、2機が運航中のQ400が全機退役し、運航中の機体は5機のサーブ340B(同36席)も2019年度内の退役となる見通し。両機種が退役後は、ATR機9機に統一される。

 ATR72-600は当初、11月3日に鹿児島へ到着予定だったが、ATRの工場があるトゥールーズを出発後、最初に寄港するギリシャへ向かう途中で、コンピュータシステムに問題が発生。シンガポールから部品を取り寄せ、ATRのスタッフとJACの整備士が修理し、鹿児島には4日遅れで到着した。

 現地時間10月30日にトゥールーズを出発した同機は、ギリシャのイラクリオン、UAE(アラブ首長国連邦)のアブダビ、インドのナグプール、ミャンマーのマンダレー、ベトナムのダナン、台湾の高雄を経て、鹿児島には7日午後4時8分に到着した。フェリーフライトの便名は、JAC06JC便だった。ATRとして、同機は通算1500機目の機体となり、機首にこれを示すデザインが施された。

 JACの加藤洋樹社長は、「国や鹿児島県から補助金などの支援をいただいたので、Q400の後継機として地域のために活用していきたい」と抱負を語った。

*写真は36枚。

鹿児島空港の滑走路に進入するJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に着陸するJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に着陸するJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に着陸したJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

退役したQ400(左)とサーブ340B(右)が並ぶ鹿児島空港の駐機場へ向かうJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

退役したQ400(左)が駐機された鹿児島空港の駐機場へ向かうJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に着陸したATR72-600を横断幕を手に出迎えるJAC社員=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港の駐機場へ向かうJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港の駐機場へ向かうJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港の駐機場へ進入するJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港の駐機場へ進入するJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港の駐機場へ進入するJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港の駐機場へ進入するJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港へ到着するJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港へ到着するJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港へ到着するJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に到着したJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港へ到着したATR72-600のパイロットやスタッフを出迎えるJACの加藤社長ら=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港へ到着しJACの客室乗務員から花束を贈られるATR社のパイロット=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

到着したばかりのATR72-600と記念撮影するJACの加藤社長と社員ら=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

横断幕を手に到着したばかりのATR72-600と記念撮影するJACの加藤社長と社員ら=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

横断幕を手に到着したばかりのATR72-600と記念撮影するJACの加藤社長と社員ら=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

横断幕を手に到着したばかりのATR72-600と記念撮影するJACの社員ら=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

横断幕を手に到着したばかりのATR72-600と記念撮影するJACの社員ら=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に到着したJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に到着したJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

通算1500機目のATR機となったJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に到着したJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に到着したJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に到着したJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に到着したJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に到着したJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

鹿児島空港に到着したJACのATR72-600=18年11月7日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

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日本エアコミューター [1]
Avions De Transport Regional (ATR) [2]

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