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スクート、関西-ホノルル12月就航 18年デイリー化目指す

 シンガポール航空系LCCのスクート(TGW/TR)は10月3日、シンガポール-関西-ホノルル線を12月19日に就航させると発表した。週4往復で、スクートの米国就航は初めて。

 関西-ホノルル間のLCCは、エアアジアX(XAX/D7)が日本からハワイへ向かう初のLCCとして、6月28日に就航しており、競争激化が見込まれる。

*就航当日の記事はこちら [1]

関西-ホノルル線とシンガポール線のセール運賃を発表するスクートの坪川支社長(中央)ら=17年10月3日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
シンガポール-関西直行便をホノルルへ
就航1年でデイリー化へ
就航セール実施

シンガポール-関西直行便をホノルルへ

15年に関空へ就航したスクート=15年7月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 スクートは現在、日本へは成田空港と関西空港、新千歳空港へ乗り入れている。関空には2015年7月8日に就航し、シンガポールからタイのバンコク(ドンムアン)経由の便と、台湾の高雄を経由する便の2路線が週3往復ずつ乗り入れている。

 今回は、シンガポール-関空間の直行便を週4往復で開設。この便がシンガポール航空が持つ以遠権を行使し、関空からホノルルへ向かう。運航日は往復とも月曜と火曜、金曜、土曜で、シンガポール-間空間と、関空-ホノルル間のいずれかの区間のみでも利用できる。

 機材はボーイング787-8型機で、座席数は2クラス329席(ビジネス18席、エコノミー311席)。ホノルル線の機材は、パイロットと客室乗務員が休憩する「クルーレスト」を備えていることから、同社が運航するほかの787-8(2クラス335席)より座席数が6席少ない。スクートは787-8を10機発注済みで、5機がクルーレスト装備機となる。

 運航スケジュールは月曜と火曜、土曜出発の場合、関西経由ホノルル行きTR700便がシンガポールを午前10時45分に到着し、午後5時30分に関西着。午後7時25分に関西を出発し、ホノルルには同日の午前7時30分に到着する。

 復路の関西経由シンガポール行きTR701便は、ホノルルを午前9時35分に出発し、翌日の午後2時に関西着。午後3時10分に関西を出発し、シンガポールには午後9時10分に到着する。このため、関西発のシンガポール線としては、12月20日が就航日となる。

 スクートの787は、全機がWi-Fi機器による機内インターネット接続サービスに対応。機内食などと同じく、有償オプションとして提供する。

 関西-ホノルル線の通常運賃は、エコノミークラスが往復2万7600円から30万7600円、ビジネスクラスの「スクートビズ」が同12万9600円から36万9600円となる。

就航1年でデイリー化へ

 スクートの坪川成樹日本・韓国支社長によると、関西-ホノルル線の利用者は「日本からの送客が80%程度。残り20%のうち、10%がシンガポールから、10%はスクートが就航しているASEAN諸国からシンガポールかバンコク、高雄経由で利用することを想定している」と語った。

 また、ホノルル発の需要については、「楽観的だが多いときには10%から20%を占めるようにしていきたい」と述べ、日本と同じくセール運賃を販売して需要を掘り起こす。

 坪川支社長は「就航1年をめどにデイリー(週7往復)運航にしたい」と、今後の計画に言及。座席数が2クラス375席(ビジネス35席、エコノミー340席)と、787-8より約1割多い787-9の投入については、「クルーレストが付いたタイプが必要になるが、今後はあり得るのではないか」と述べた。

 ハワイ州観光局のミツエ・ヴァーレイ局次長は、「ハワイには世界から年間900万人が訪れ、日本人は17%と米国に次ぐ大きなマーケット。米国外ではナンバーワンだ」と述べ、「来年は日系人のハワイ移民150周年など、日本とハワイの節目の年を迎える」と、スクートの就航に期待を寄せた。

就航セール実施

 新路線開設を記念し、10月4日午前11時から8日午後11時59分まで、セールを実施する。

 関西-ホノルル線は、エコノミーが往復1万8800円から、ビジネスが同11万8800円からで、旅行期間は2018年1月11日から2月28日まで。就航日の12月19日から1月10日までと3月1日から6月30日、8月27日から10月28日までは、エコノミーが往復2万1800円から、ビジネスが12万1800円からとなる。

 関西-シンガポール線の直行便のセール運賃は、エコノミーが往復2万4800円から、ビジネスが同6万8800円から。旅行期間は12月20日から6月30日と、8月27日から10月28日まで。

 いずれも税・諸費用込みの総額運賃で、受託手荷物などのオプションは別料金。ホノルル線のエコノミーのセール運賃は、航空券代のみだと「片道4500円を切った価格」(坪川支社長)だという。

 ホノルルでもセール運賃を同一期間に販売。ホノルル-関西のエコノミー往復が280ドル(約3万1700円)から、シンガポールは480ドルからとなっている。

運航スケジュール
シンガポール→関西→ホノルル
TR700 シンガポール(10:45)→関西(17:30/19:25)→ホノルル(07:30)運航日:月火土
TR700 シンガポール(09:55)→関西(16:55/18:50)→ホノルル(07:00)運航日:金

ホノルル→関西→シンガポール
TR701 ホノルル(09:35)→関西(翌日14:00/15:10)→シンガポール(21:10)運航日:月火金土
*関西発の運航日は火水土日

関連リンク
スクート [2]

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前編 大手と遜色ない787の居住性 [3](17年12月26日)
後編 日帰りでも疲れなかった787 [4](17年12月31日)

スクート
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