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デルタ航空「率直に言うと残念」 スカイマーク支援、整備面で未知数な点も

 デルタ航空(DAL/DL)の森本大・日本支社長は8月5日、民事再生手続きを進めるスカイマーク(SKY/BC)の再生計画案が債権者集会で否決されたことについて、「率直に言うと残念」と感想を述べた。一方、デルタが検討していた機材整備に関する支援の中には、具体策に至っていないものもみられた。

イントレピッドのスカイマーク再生計画案のスポンサー候補に名乗りを挙げていたデルタ航空=15年8月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 デルタはスカイマークの最大債権者である米国の航空機リース会社、イントレピッド・アビエーションの再生計画案にスポンサー候補として参画。デルタが加盟する航空連合「スカイチーム」は日本のパートナーが不在であることから、「日本の航空会社との提携は悲願だった」(森本支社長)として、再生支援とともにスカイマークとの協業を模索していた。

 森本支社長は、「イントレピッドが議決権額ベースで38%占めることから、かなり可能性あると踏んでいた」と説明。大口債権者4者のうち、残り3者となるエアバスとロールス・ロイス、米リース会社CITはデルタと大口取引があるものの、イントレピッド・デルタ陣営への取り込みには至らなかった。

 一方、可決されたスカイマーク側の再生計画案に参画するANAホールディングス(9202)は、整備部門に社員を5人派遣。機体の整備作業はスカイマークの整備士が行っているが、国土交通省航空局(JCAB)へ報告する整備計画などを支援している。イントレピッド案が可決された場合はANA側のスタッフが撤収し、運航に支障が生じる可能性もあった。

デルタ航空の森本日本支社長=8月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 森本支社長は、デルタが整備計画を支援することになっていた場合、「スカイマークが国交省に報告しているものとは違うが、われわれはFAA(米国連邦航空局)に同じような報告をシステムを組んでやっている。米国でやっていることを日本でも使えないかと、検討できたのではないか」と説明。整備計画の支援内容は具体的になっておらず、未知数な点もみられた。

 また、エアバスの最新鋭機A350 XWBをデルタが発注していることから、森本支社長は「A350をアジアにも持ってきたい」と述べ、A350で運航する新たな日本路線を検討する意向を示した。

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