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MRJ、エンジン始動時の動画 主翼の強度試験時も

 三菱航空機は1月23日、リージョナルジェット機「MRJ」のエンジンの試験運転と全機静強度試験機の主翼上曲げ試験の様子を収めた動画をYouTubeに公開したと発表した。

三菱航空機が公開したエンジン試運転(YouTubeから)

 エンジンの試験運転は1月13日、県営名古屋空港のエプロン(駐機場)で実施。右舷エンジンを初めて運転し、動力系統や油圧、燃料、空調、電気系統などの各種システムが作動したことを確認した。〈エンジン試運転の動画はこちら [1](外部サイトへ移動します)〉

 MRJが採用するエンジンは、米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製のギヤード・ターボファン・エンジン「PurePower PW1200G」。PurePowerシリーズは、エンジンのファンを低圧コンプレッサーとタービンとは異なる速度で動作させることができるギア・システムを採用しているのが特徴。このシステムと新設計のエンジン・コアを組み合わせることで、燃費と排気、騒音を改善している。同シリーズのうち、PW1200GはMRJ用に開発されたもの。

三菱航空機が公開した主翼上曲げ試験(YouTubeから)

 全機静強度試験機の主翼上曲げ試験は2014年12月25日、三菱重工業(7011)の名古屋航空宇宙システム製作所(名航)小牧南工場に隣接する技術試験場で実施。機体の強度が必要な基準を満たしているかを検証した。〈主翼上曲げ試験の動画はこちら [2](外部サイトへ移動します)〉

 各種機能試験や技術試験を実施している試験機初号機のほか、2号機から4号機も最終組立が進行中。2号機は翼胴結合や脚の取り付けが完了。3号機は翼胴結合を進めている。4号機は胴体結合が完了し、現在は塗装中。

 MRJは2014年10月18日にロールアウト(完成披露)。今年4-6月期の初飛行に向け、開発が進められている。型式証明の取得は2017年上期を予定。ローンチカスタマーとなる全日本空輸(ANA/NH)への初号機引き渡しは、2017年4-6月期となる見通し。

関連リンク
三菱航空機 [3]
Engine First Start to Idle Power on Wing [1](YouTube、1分9秒)
First Static Test of Limit Load on Main Wing [2](YouTube、27秒)

MRJ、3号機も翼胴結合へ 三菱航空機、試験機の写真公開 [4](15年1月22日)
三菱航空機、MRJエンジン始動時の写真公開 [5](15年1月14日)
MRJ、初のエンジン試験運転 主翼の強度試験も [6](15年1月13日)
三菱航空機、名古屋空港に本社移転 小牧南工場に隣接 [7](15年1月5日)
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