- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

パナソニック、航空機用IEF生産能力6倍 門真工場内の施設拡張

 パナソニック ホールディングス(6752)傘下のパナソニック コネクトグループは10月23日、グループ会社の米パナソニック アビオニクスが大阪・門真工場の生産施設拡張を完了したと発表した。次世代IFE(機内エンターテインメントシステム)「Astrova(アストローバ)」の需要拡大に対応するため、生産能力を従来の6倍に増強した。

門真工場拡張部分開所式でテープカットするパナソニック コネクトとパナソニック アビオニクスのケン・セイン両社CEO(中央)、コネクトの加藤大地執行役員ヴァイス・プレジデント(右)、宮本一孝門真市長=26年10月23日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 パナソニック アビオニクスは、Astrovaの4K有機ELディスプレイの累計販売数が50万台に達したと現地時間23日に発表。2022年に発表したAstrovaは、これまでに45社超の航空会社が採用し、航空機への搭載プログラムは150件を超えている。販売した50万台には、すでに運航中の航空機で使用されているもののほか、航空会社への納入に向けて座席への組み込み・設置工程にある製品も含まれる。

 門真工場では、Astrovaの4K有機ELディスプレイをはじめとするIFEを生産。今回の拡張で施設全体の規模は従来の約2倍となり、工場面積は1万平方メートルを超えた。既存施設内のレイアウト変更などで生産スペースを約1.8倍に広げ、基板実装設備も2倍に拡大した。

 Astrovaは、4K有機ELディスプレイを採用し、映像コンテンツを提供するほか、乗客が持ち込む端末との連携や充電、Wi-Fi接続などに対応。大阪・門真工場は、新造機への搭載や既存機の改修による導入に対応する生産拠点となっている。

門真工場の拡張部分の開所式で挨拶するパナソニック コネクトとパナソニック アビオニクスのケン・セイン両社CEO=26年10月23日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

門真工場の拡張部分の開所式で挨拶するパナソニック コネクトの加藤大地執行役員ヴァイス・プレジデント=26年10月23日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 門真工場では23日に拡張部分の開所式を開き、パナソニック コネクトグループと米パナソニック アビオニクスの両社でCEOを務めるケン・セイン氏、同グループ執行役員ヴァイス・プレジデントでアビオニクスビジネスユニットのマネージングダイレクターを務める加藤大地氏、地元・門真市の宮本一孝市長、製造パートナー企業の代表らが出席した。

 パナソニック コネクトグループでIFE事業を担当する加藤氏は「生産を止めずに増産に対応するのが大変だった。日本を代表する工場にしたい」とあいさつした。加藤氏によると、設備を移動できるのはゴールデンウイークと夏季、冬季の休業期間に限られ、年3回しか作業の機会がなかったという。生産を続けながら工場拡張に取り組んだ従業員の尽力をたたえた。

 拡張後の工場には今後の需要増加に対応する余力も確保しており、さらなる生産規模の拡大が可能だという。パナソニック アビオニクスは、大阪・門真工場で生産したAstrovaの画面を利用する乗客が、2027年3月までに月間300万人を超えると見込んでいる。

 加藤氏によると、現在は2交代制だが3交代制も視野に入れているという。航空機需要は世界的に旺盛だが、当面は門真工場で増産対応は可能との見方を示した。「若い人は車を持っていない。ここは駅から30秒で着ける」(加藤氏)と、門真工場は人材確保の点でも優位性があると強調した。

門真工場拡張部分を報道関係者に説明するパナソニック コネクトの加藤大地執行役員ヴァイス・プレジデント(右)、宮本一孝門真市長=26年10月23日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
Panasonic Avionics [1]
パナソニック コネクト [2]

・パナソニックコネクト、成田空港に共同キオスク177台 入管・税関手続きを一度に [3](26年9月24日)
・パナソニック、既存IFE更新の新ソリューション 大規模改修不要の「eXNeo」 [4](26年4月20日)
・パナソニック、機内向け新プラットフォーム「Converix」AIで乗客の利便性も向上 [5](25年4月10日)
・コリンズとパナソニック、曲面有機ELの新ビジネスクラス「MAYA」イマーシブがテーマ [6](24年6月1日)
・パナソニックコネクト、航空コアに成長戦略 機内デジタルサービス、地上同等に高度化も [7](22年4月4日)