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空自、墜落グローバルホークの引き揚げ終了 沿岸捜索は継続

 航空自衛隊は10月23日、鳥取県沖で9月15日に墜落した無人偵察機RQ-4B「グローバルホーク」の機体引き揚げ作業を終了したと発表した。現場海域で10月2日に始めた作業を23日で終えた。機体の一部は回収したが、全体の回収状況は明らかにしていない。沿岸部などでの捜索・回収活動は続ける。

三沢基地偵察航空隊所属のRQ-4B「グローバルホーク」(航空自衛隊提供)

 空自は10月17日に、海中から胴体の一部を回収した。大きさは長さ約6メートル、幅約1.6メートル、高さ約1.5メートル。17日の発表では胴体の一部とみられる物体としていたが、20日の航空幕僚長記者会見ではグローバルホークの胴体の一部と特定したと説明した。

 機体は損壊・分散しており、回収物の状態もさまざまなことから、空自は機体全体に対する回収率の算出は難しいとしている。20日の会見では、海中に未回収の物体があり、ある程度大きなものも含まれると説明していた。23日の発表では、最終的な回収状況や引き揚げ作業を終了した理由は明らかにしていない。

 9月24日には、捜索中の海上自衛隊の艦艇が、海中で事故機の一部とみられる物体を発見した。引き揚げ作業を実施したのは鳥取市青谷町沖約50キロの海域で、水深は約200-300メートル。9月30日に警戒船が現場へ到着し、10月2日から遠隔操作型無人潜水機(ROV)を運用する母船が海中を捜索した。13日以降は回収船も現場に入り、本格的な回収作業を進めていた。

 空自は引き揚げ作業について、オフショアエンジニアリングと11億5300万円で契約した。事故原因の究明に必要な機体や部品に加え、情報保全上重要な物件の回収も目的としている。当初は10月2日から約1カ月の作業を見込み、20日の会見でも終了時期は確定していなかった。

 事故機は三沢基地(青森県)の警戒航空団第502飛行隊に所属。2022年3月に三沢基地へ納入された受領初号機(23-6003)とみられる。9月15日午前10時20分ごろに三沢基地を離陸したが、午後0時55分以降に通信装置との接続不良が発生した。午後0時58分ごろ、鳥取県沖の北約50キロの洋上でレーダーから航跡が消失した。その後、海上保安庁や空自が浮遊物を発見し、空自は写真から墜落したと判断した。

 墜落後は空自の航空機や海自の艦艇などが捜索した。9月19日には鳥取県の沿岸部で漂着物を回収し、事故機の一部と確認した。21日と25日にも鳥取県内の海岸で機体の一部とみられる物体を回収している。沿岸部では鳥取、島根両県で警察や海上保安庁、漁協などと連携して捜索を続けてきた。

 空自は9月15日に、航空幕僚監部の監理監察官を長とする航空事故調査を開始した。事故前に通信装置との接続不良が発生したものの、墜落との因果関係は明らかになっていない。回収した物体を分析して原因を調べる方針で、米国側や製造元のノースロップ・グラマンにも協力を求めている。10月6日の会見では、回収物を船舶と陸路で小松基地まで運び、最終的に三沢基地で調査する予定と説明していた。

 RQ-4Bは米ノースロップ・グラマン製の高高度長時間滞空型無人偵察機で、ISR(情報収集・警戒監視・偵察)に使用する。空自は2022年3月に初号機を受領し、2023年6月に3機目が三沢基地へ到着して3機体制が整った。機体は全長14.5メートル、全幅39.9メートルで、約36時間飛行できる。

関連リンク
航空自衛隊 [1]
三沢基地 [2]
Northrop Grumman [3]

・空自の無人偵察機RQ-4B、鳥取沖で墜落と推定 受領初号機か [4](26年9月15日)
・空自、無人偵察機グローバルホーク初飛行 [5](22年12月22日)
・空自向け無人偵察機グローバルホーク、三沢まで18時間超の太平洋横断フェリーフライト [6](22年3月14日)
・空自、RQ-4Bグローバルホーク初受領 三沢に無人偵察機 [7](22年3月12日)
・空自向けグローバルホークが初飛行 三沢配備の無人偵察機 [8](21年4月20日)