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ANA、新個室ビジネス787「THE Room FX」11月以降受領 737MAXは10月以降

 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、新ビジネスクラスシート「THE Room FX(ザ・ルームFX)」をはじめ、全クラスに新シートを搭載するボーイング787-9型機の国際線新仕様機を、11月以降に受領する。8月18日に発表した「2026年度下期 航空輸送事業計画の一部変更」では、7月に発表した受領時期を踏襲し、国内線用新機材の737-8(737 MAX 8)も、10月以降の受領とする計画を維持している。いずれもボーイング側の納入遅延の影響を受けてきたが、これらの機材は現在の計画で受領できるようだ。

パリ航空ショーでANAの新個室ビジネスクラス「THE Room FX」をお披露目する客室乗務員=25年6月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
個室新ビジネス「THE Room FX」
プレエコ・エコノミーも新シート
737-8は10月以降

個室新ビジネス「THE Room FX」

 国際線新仕様の787-9は、新造機が3機、改修機が16機の計19機。目玉となるビジネスクラスのTHE Room FXは、2019年8月に就航した777-300ERの新仕様機「THE Room」の快適性を継承しつつ、787の機体幅に最適化したもので、ANAが中型機向けのビジネスクラスを刷新するのは約10年ぶり。座席数は3クラス206席(ビジネス48席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー137席)で、既存機と比べてエコノミークラス1列9席分の減少にとどめた。昨年2025年6月17日に開かれたパリ航空ショーでお披露目され、今年3月には都内で本邦初公開した。

ドア付き個室型となるANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」(同社サイトから)

 新シートの名称「FX」は「Future Experience」の略で、シート、ソファ、ベッドの3スタイルを選べる構造を採用。背もたれはあらかじめリクライニングされた形状で、ソファのような自由な姿勢で過ごすことができる。レッグレストを水平にすると、ベッドとして過ごせる。

 個人用モニターは24インチのHDモニターを採用。ワイヤレス充電や電源コンセント、充電用USB端子はType-Aに加えて最新のType-Cにも対応した。Bluetoothによるオーディオ接続も可能で、小物入れは2カ所用意した。このうち、ワイヤレス充電はANAでは初採用となった。

パリ航空ショーでお披露目されたANAの新個室ビジネスクラス「THE Room FX」のテーブル=25年6月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

前後互い違いのシート配列を採用したANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」(同社サイトから)

 個室のドアや座席間のパーティションは、777向けと比べて薄型化しつつ、背もたれに曲線を持たせたデザインと、777向けと同じ前後交互の配列で、大型機並みの空間を実現した。リクライニング機能をなくしたことで、可動部分が必要とするスペースが減少し、乗客が実際に過ごす1席あたりの空間を広く取ることができた。

 シート製造は仏サフラン・シートで、英国のデザイン会社アキュメン・デザイン・アソシエートがデザインを監修した。

 これまでは欧米路線で777-300ERは個室ビジネスクラスのTHE Roomであるのに対し、787はスタッガード配列の現行シートと客室仕様に差があった。THE Room FXの導入で、機材にかかわらず同等のサービスを提供できる体制を目指す。

プレエコ・エコノミーも新シート

 プレミアムエコノミーとエコノミークラスは、独レカロ・エアクラフト・シーティング製の最新シートを、日本の航空会社では初採用。プレエコに「R4」、エコノミーに「R3」を採用する。

ANAの787-9向けプレミアムエコノミーの新シートを紹介する客室乗務員=26年3月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-9向けエコノミークラスの新シートを紹介する客室乗務員=26年3月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 配列はプレエコが2-3-2席の1列7席で、シートピッチは現行より2インチ(約5センチ)拡大して40インチ(約101センチ)。エコノミーは3-3-3席の1列9席で、従来と同じ33-34インチ(約83.8-84.9センチ)のシートピッチを維持する。

 プレエコは、リクライニング量も2インチ増やして9インチ(約23センチ)に拡大。世界でトップクラスの快適性を実現したという。個人用モニターは15.6インチとなる。

 背もたれには「プライバシーウイング」を設け、隣席の乗客が見えにくくなっており、フットレストも設けた。また、電源コンセントに加え、充電用USB端子はType-AとType-Cを両方用意し、Bluetooth対応のオーディオ接続にも対応する。

 エコノミーも、リクライニング量を従来より2インチ増の6インチ(約15センチ)とする。腰回りのフィット感を向上させ、クラス最大級のシートピッチを維持しながらリクライニング量を増やせたことで、くつろげる空間を実現したという。

 個人用画面は13.3インチ。電源コンセントに加え、充電用USB端子はType-AとType-Cを両方用意し、Bluetooth対応のオーディオ接続にも対応する。

737-8は10月以降

 737 MAXは、国内線で運航する2008年就航の737-800の後継機。大別して4機種ある737 MAXのうち、標準型の737-8を確定発注20機、オプション10機の最大30機導入する契約だったが、2025年6月のパリ航空ショーでオプション分もすべて確定発注に切り替え、全30機となった。

 ANAHDの芝田浩二社長は年初に、737-8の受領を6月から開始し、年内に5機受領するとの見通しを示していたが、ボーイングの納入遅延により4月の時点で9月以降に延期。7月29日の発表で、10月以降に後ろ倒しした。きょう18日に発表した「2026年度下期 航空輸送事業計画の一部変更」では、737-8の受領時期は据え置いた。

 一方、開発中の次世代大型機777-9(777X)の受領時期は、2027年度の受領機材のため言及はなく、2027年度下期以降を予定している。

関連リンク
全日本空輸 [1]

THE Room FX開発者インタビュー
777並み空間へゼロから設計 特集・ANA 787新個室ビジネス「THE Room FX」の挑戦 [2](26年3月12日)

2026年度航空輸送事業計画の一部見直し
ANA国内線、伊丹再編 羽田減便、札幌・函館・那覇を増便=26年度下期計画 [3](26年8月18日)
ANA、羽田-ミラノ増便 成田-ホノルル週10-14往復=26年度下期国際線 [4](26年8月18日)

ボーイング機の納入遅延
ANA、777Xと737MAX受領遅れ IBEXと提携しE190-E2追加発注 [5](26年7月29日)

THE Room FX
ANA 787-9新個室ビジネス、夏以降導入 737-8は9月以降 [6](26年4月30日)
ANA、787個室ビジネス「THE Room FX」機内イメージ公開 新造3機と改修16機 [7](26年2月13日)
ANAHD芝田社長、787個室ビジネス「THE Room FX」8月初受領 737-8は6月から5機 [8](26年1月6日)

写真特集・ANA 787-9新シート
(1)ソファのような個室新ビジネス「THE Room FX」は777並みの広さ [9]
(2)プレエコはシートピッチとリクライニング拡大 [10]
(3)エコノミーは腰のフィット感向上で疲れにくく [11]