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エンブラエル系Eve、eVTOL低速飛行完了 今夏にも水平飛行試験

 エンブラエル系の独立企業で、eVTOL(電動垂直離着陸機)を手掛けるEve Air Mobility(イブ・エア・モビリティ)は現地時間5月21日、実物大の技術試作機によるeVTOLのホバリング・低速飛行試験を完了したと発表した。59回の飛行で累計飛行時間は2時間27分33秒となり、今後は垂直飛行から翼で揚力を得る飛行へ移る遷移飛行試験に向けた地上試験に進む。遷移飛行は7-8月をめどに始める見込み。

低速飛行試験を終えたエンブラエル系EveのeVTOL(同社提供)

 今回の試験は、段階的に飛行領域を広げるEveの飛行試験キャンペーンの一環。実飛行データにより、制御則や機体挙動をシミュレーション予測と照合し、空力、推進、荷重などのモデル検証と精緻化に必要なデータを得た。次の遷移飛行や認証用試作機による試験に向けた基礎データと位置付けている。

 試験では、安定したホバリング性能と予測可能な操縦挙動を確認した。15ノット未満の低速入力フェーズから始め、制御則やダウンウォッシュ、熱挙動、推進モデルを検証。進行に伴い、対地速度約20ノットまで拡大し、同時4軸操作で空力モデルと荷重モデルを確認した。

 主な成果として、100項目以上の飛行試験ポイントを実施した。自動着陸と、通常モードが使えない場合に作動する簡易フライ・バイ・ワイヤモードも初めて実証した。到達高度は地上高215フィート(約65メートル)で、飛行時間は3分48秒を記録した。

 試験中の機体は、同時4軸入力に対して一貫した挙動を示したという。記録した騒音レベルは想定通りで、推進系とバッテリーの性能は想定を上回った。今後予定する地上試験を経て、遷移飛行では揚力用のリフターと推進用のプッシャーの同期を検証する。

 EveのeVTOL機は、乗客4人乗り仕様の客室を貨物用に素早く転換できる柔軟な設計が特徴。脚部は滑走用車輪付き脚とスキッドから選択できる。2025年6月のパリ航空ショーでは、ブラジル・サンパウロで都市型エアモビリティ(UAM)事業者のRevoがローンチオペレーターとして運航を始める計画を示した。

 eVTOLは「電動垂直離着陸機」の略で、電動モーターとバッテリーを使い、滑走路を使わず垂直に離着陸できる航空機。「空飛ぶクルマ」や「UAM(Urban Air Mobility:都市型エアモビリティ)」などとも呼ばれ、都市内や空港アクセスなど短距離移動での活用が見込まれている。

低速飛行試験を終えたエンブラエル系EveのeVTOL(同社提供)

低速飛行試験を終えたエンブラエル系EveのeVTOL(同社提供)

低速飛行試験を終えたエンブラエル系EveのeVTOL(同社提供)

低速飛行試験を終えたエンブラエル系EveのeVTOL(同社提供)

低速飛行試験を終えたエンブラエル系EveのeVTOL(同社提供)

低速飛行試験を終えたエンブラエル系EveのeVTOL(同社提供)

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