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ANA、787個室ビジネス「THE Room FX」機内イメージ公開 新造3機と改修16機

 全日本空輸(ANA/NH)は、8月に導入を予定しているボーイング787-9型機向け個室ビジネスクラス「THE Room FX(ザ・ルームFX)」の機内イメージを公開した。昨年6月のパリ航空ショーでお披露目した新シートで、中型機の787でも大型機の777-300ERと同等の空間体験を可能にした。主に長距離路線へ投入する国際線新仕様機として、2026年度に3機受領する計画で、プレミアムエコノミーとエコノミークラスも新シートを採用し、全クラスが新シートになる。

ANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」(同社サイトから)

 THE Room FXは、2019年8月に就航した777-300ERの新仕様機「THE Room」の快適性を継承しつつ、787の機体幅に最適化したもので、ANAが中型機向けのビジネスクラスを刷新するのは約10年ぶり。座席数は3クラス206席(ビジネス48席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー137席)で、既存機と比べてエコノミークラス1列9席分の減少にとどめた。

パリ航空ショーでANAの新個室ビジネスクラス「THE Room FX」をお披露目する客室乗務員=25年6月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

パリ航空ショーでお披露目されたANAの新個室ビジネスクラス「THE Room FX」のテーブル=25年6月17日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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新ビジネスクラス「THE Room FX」を採用したANA 787-9 206席仕様のシートマップ(同社サイトから)

 新シートの名称「FX」は「Future Experience」の略で、シート、ソファ、ベッドの3スタイルを選べる構造を採用。背もたれはあらかじめリクライニングされた形状で、ソファのような自由な姿勢で過ごすことができる。レッグレストを水平にすると、ベッドとして過ごせる。

 個人用モニターは24インチのHDモニターを採用。ワイヤレス充電や電源コンセント、充電用USB端子はType-Aに加えて最新のType-Cにも対応した。Bluetoothによるオーディオ接続も可能で、小物入れは2カ所用意した。このうち、ワイヤレス充電はANAでは初採用となった。

 個室のドアや座席間のパーティションは、777向けと比べて薄型化しつつ、背もたれに曲線を持たせたデザインと、777向けと同じ前後交互の配列で、大型機並みの空間を実現した。リクライニング機能をなくしたことで、可動部分が必要とするスペースが減少し、乗客が実際に過ごす1席あたりの空間を広く取ることができた。

 新シートを搭載する787-9は、新造機が3機、改修機が16機の計19機。これまでは欧米路線で777-300ERは個室ビジネスクラスのTHE Roomであるのに対し、787はスタッガード配列の現行シートと客室仕様に差があった。THE Room FXの導入で、機材にかかわらず同等のサービスを提供できる体制を目指す。

 シート製造は仏サフラン・シートで、英国のデザイン会社アキュメン・デザイン・アソシエートがデザインを監修した。

ANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」(同社サイトから)

前後互い違いのシート配列を採用したANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」(同社サイトから)

 また、プレミアムエコノミーとエコノミークラスは、独レカロ・エアクラフト・シーティング製の最新シートを、日本の航空会社では初採用。プレエコに「R4」、エコノミーに「R3」を採用する。配列はプレエコが2-3-2席の1列7席で、シートピッチは現行より2インチ(約5センチ)拡大して40インチ(約101センチ)、エコノミーは3-3-3席の1列9席で、従来と同じ33-34インチ(約83.8-84.9センチ)のシートピッチを維持する。

 ギャレー(厨房設備)やラバトリー(化粧室)の配置は、既存機のものを踏襲。客室乗務員の作業性や、機材変更が生じた際の座席変更を最小限に抑えられるよう工夫した。

ドア付き個室型となるANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」(同社サイトから)

曲線ラインの背もたれを予めリクライニングさせてソファのようなシートにしたANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」(同社サイトから)

レッグレストを水平にするとソファからベッドになるANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」(同社サイトから)

24インチ大型HDモニターを採用したANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」(同社サイトから)

ユニバーサルタイプの電源コンセントやType A・CのUSB端子、Bluetoothオーディオ接続に対応したANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」(同社サイトから)

ANA初のワイヤレス充電を採用したANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」(同社サイトから)

ANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」のシートの一角に設けられた収納スペース(左:前向き席、 右:後向き席、同社サイトから)

ドア付き個室型シートでプライベート空間を表現したANAの787-9新ビジネスクラス「THE Room FX」のシートの一角に設けられた収納スペース(左:前向き席、 右:後向き席、同社サイトから)

787-9国際線仕様機に搭載するレカロ製プレミアムエコノミー(左)とエコノミークラスの新シートをハンブルクでお披露目するANAの客室乗務員(ANA提供)

関連リンク
全日本空輸 [2]
Safran Seat [3]

8月に初受領へ
ANAHD芝田社長、787個室ビジネス「THE Room FX」8月初受領 737-8は6月から5機 [4](26年1月6日)

パリ航空ショーでお披露目
ANA、787-9に新個室ビジネスクラス「THE Room FX」777並みの広さ、26年度から=パリ航空ショー [5](25年6月17日)

787-9のプレエコ・エコノミー新シート
ANA、787-9のプレエコ・エコノミー新シート公開 ビジネスはパリで6月お披露目 [6](25年4月9日)

写真特集・ANA新777-300ER
(1)43インチ4Kモニターと引き戸付き個室ファーストクラス [7]
(2)ドア付き個室ビジネスクラス [8]
(3)世界最大の個人モニター備える1列10席エコノミー [9]
(4)木目調パネルで落ち着いた空間 [10]