大韓航空(KAL/KE)は1月23日、機内でのモバイルバッテリーを使用した充電を現地時間26日から全面的に禁止すると発表した。アシアナ航空(AAR/OZ)など、同社を含めた韓進(ハンジン)グループ傘下の航空5社の全便が対象で、機内火災防止への対策を強化する。

機内でのモバイルバッテリー使用を禁止する韓進グループの大韓航空(手前)とアシアナ航空=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
対象は大韓航空とアシアナ航空のフルサービス航空会社(FSC)2社のほか、ジンエアー(JNA/LJ)、エアソウル(ASV/RS)、エアプサン(ABL/BX)の傘下LCC 3社。国内線と国際線の全路線が対象で、モバイルバッテリーを使用し、携帯電話やタブレット、ノートパソコン、カメラなど電子機器への充電をすべて禁止する。
モバイルバッテリーの機内持ち込み時は端子への絶縁テープ貼付や、ビニール袋やポーチへの個別収納など、短絡防止措置が必要となる。機内では頭上の手荷物収納棚(オーバーヘッドビン)への収納も禁じており、手元で状態を確認できるよう求めている。
グループ傘下の航空各社は、モバイルバッテリー対策をすでに講じている。客室乗務員(CA)の訓練施設には火災を想定した訓練も進め、ソウル・金浦空港近くにある大韓航空の訓練施設には、機内火災を再現できる設備「ファイヤートレーナー」を導入している。チェックインカウンターや搭乗口、機内には短絡防止用の絶縁テープを備えるほか、機内にはモバイルバッテリー隔離用の保管バッグを搭載し、荷物棚には高温度になると変色する「温感ステッカー」を貼付し、異常高温を早期検知する。
韓国では2025年1月に、釜山の金海空港でエアプサン機の手荷物収納棚にあったモバイルバッテリーが発火(関連記事 [1])。これを受け、国内外の航空各社はモバイルバッテリーの使用・充電を禁止する対策を講じている。

大韓航空のCA訓練施設に導入したファイヤートレーナー=25年11月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

大韓航空のCA訓練施設に導入したファイヤートレーナーで使用する消火器=25年11月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

大韓航空のファイヤートレーナーで発生させた疑似火災=25年11月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

モバイルバッテリーの消火手順を説明する大韓航空のインストラクター=25年11月 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
関連リンク
大韓航空 [2]
アシアナ航空 [3]
ジンエアー [4]
エアプサン [5]
エアソウル [6]
JAL CAの訓練
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国内各社の対応
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モバイルバッテリー
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