モバイルバッテリーなどリチウムイオン電池を使った製品の発火・発熱による事故が相次いでいることから、経済産業省は12月19日、同省から電話や電子メールで連絡が取れない事業者36社を「製品安全4法における連絡不通事業者リスト」として公表した。連絡が取れた場合はリストから削除するという。

経産省が公表した「製品安全4法における連絡不通事業者リスト」(同省サイトから)
今回公表したリストは、製品安全4法の消費生活用製品安全法、ガス事業法、電気用品安全法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律に関する事業者のうち、19日時点で経産省から3回以上連絡しても回答がない事業者が対象。モバイルバッテリーなどの発火事故は、粗悪品が原因とみられることから、連絡が取れない輸入・販売事業者を公表することで、消費者に注意喚起する。
リストはPDFで用意され、経産省のウェブサイト内「製品安全ガイド」の「製品安全4法における連絡不通事業者リストの公表について」にリンクを記載。同省トップページからは「お知らせ」の「2025年12月19日 製品安全4法における連絡不通事業者リストの公表について」をクリックすると、リストのPDFが表示される。
一方、リスト名が法律に基づいた名称であるため、消費者がリチウムイオン電池による発火・発熱事故に関連した注意喚起の情報とはわかりにくいとも言える。

羽田空港の訓練施設で手荷物収納棚のモバイルバッテリーが発火したことを想定しスモークフードを着用して消火にあたるJALの客室乗務員=25年12月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
航空機内にリチウムイオン電池を使ったモバイルバッテリーを持ち込む場合、国土交通省航空局(JCAB)は今年7月8日から頭上の手荷物収納棚にはしまわず、手元で保管するよう求めている。
日本航空(JAL/JL、9201)は、年末年始の繁忙期に普段は飛行機を利用しない人も多く搭乗することから、客室乗務員による対応策を今月2日に公開し、リチウムイオン電池を使った製品は、預け荷物として空港で預けられないことや、手元で状態を確認できるようにして欲しいと呼びかけている。
関連リンク
製品安全4法における連絡不通事業者リスト [1](PDF、25年12月19日現在)
製品安全ガイド [2](経産省)
JALが注意喚起
・JAL、CAがモバイルバッテリー火災想定し訓練 手元で管理を [3](25年12月2日)
7月から手元管理
・モバイルバッテリーの機内持込、手荷物棚”禁止” 7/8から手元で管理 [4]
・モバイルバッテリー、手荷物棚に収納“禁止” 国交省が安全対策強化 [5](25年7月1日)
国内大手2社の扱い
・モバイルバッテリーの機内使用、大手2社は現状維持 耐熱袋などで安全対策 [6](25年3月14日)
モバイルバッテリー
・エアアジア、モバイルバッテリー4/1から禁止 飛行中の使用や充電 [7](25年3月28日)
・タイ国際航空、モバイルバッテリー3/15から禁止 [8](25年3月14日)
・シンガポール航空、モバイルバッテリー使用・充電4/1から禁止 [9](25年3月12日)
・エバー航空とチャイナエア、モバイルバッテリー使用・充電禁止 台湾各社足並み揃う [10](25年2月28日)
・エアプサン香港行きBX391便、釜山出発前に火災 乗客3人けが [11](25年1月29日)