ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は11月29日、EASA(欧州航空安全庁)が現地時間28日(日本時間29日未明)に出したエアバスA320ファミリー(系列)へのEAD(緊急耐空性改善命令)に基づく整備作業を、29日正午前に完了した。対象となった数機はすべて運航に復帰済みで、この作業による欠航は発生しなかった。

EASAのEADに基づく整備作業を完了したピーチ(資料写真)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ピーチはA320系列のうち、A321LR(1クラス218席)を3機、A320neo(同188席)を19機、A320ceo(従来型A320、同180席)を15機の計37機運航。このうち数機が整備対象となり、ソフトウェアを最新版にアップデートした。
同社は運航上、多くの機材が本拠地である関西空港で夜間整備を受ける体制であることや、多くの機材の機齢が若く、機体の整備システムが新しいことなどが早期の作業完了につながった。
EASAによると、A321、A320、A319の一部機体に搭載されている飛行制御コンピューター「ELAC(エレベーター・エルロン・コンピューター)」が誤作動を起こす可能性があるとして、EADを発出した(詳細はこちら [1])。
同じくANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)は、29日の国内線95便を整備作業のため欠航し、約1万3200人に影響が出る見通し。ANAのA320系列機はA321neo(2クラス194席)が22機、A320neo(同146席)が11機、A321ceo(同194席)が4機の計37機となる。
関連リンク
EASA [2]
Airbus [3]
Peach Aviation [4]
A320ファミリーにEAD
・EASA、A320系列に耐空性改善命令 ELAC誤作動の可能性 [1](25年11月29日)
・A320、太陽フレアで飛行制御データ破損の恐れ ANAは65便欠航 [5](25年11月29日)
A321XLRを国内初導入へ
・ピーチ、A321XLRを国内初導入 世界一遠く飛べる単通路機、A321neoで大型化も [6](25年2月25日)
A321LRの客室
・ピーチ、座席間隔広いA321LR公開 関空-バンコク12/27開設 [7](22年11月9日)
動画(YouTube Aviation Wireチャンネル [8])
・【足もと広々】ピーチA321LR JA901Pの機内【4K】 [9]