JAL 777-300ER初号機、白塗り・米国籍機に　離日間近か

　今年5月に退役した日本航空（JAL/JL、9201）のボーイング777-300ER型機の初号機（MSN32431、LN429、旧登録記号JA731J）が、鶴丸ロゴなどのJAL塗装を落とした「白塗り」の外観となった。機体尾部に米国籍の登録記号が記されたことから、離日が近づいているとみられる。

　JALの777-300ER初号機は、ボーイングから現地時間2004年6月15日に受領し、同年7月1日の成田－シンガポール線から運航を開始した。JALへ引き渡されるまでは、777-300ERの飛行試験2号機としてボーイングが使用していた機体で、JALでは約21年飛び、今年5月27日の上海（浦東）発羽田行きJL80便を最後に退役した。翌28日からは機体の売却に向け、退役整備が羽田で始まった。

　白塗りになった際に記された登録記号はN3243F。ボーイングの試験機時代はN5016Rだったことから、2度目の米国籍の登録記号が与えられたことになる。退役時の飛行サイクルは1万606回、飛行時間は8万7615.70時間となり、座席数は現行仕様「W84」の4クラス244席で、ファーストクラス8席、ビジネスクラス49席、プレミアムエコノミークラス40席、エコノミークラス147席だった。

　JALは777-300ERを13機導入。初の退役は4号機（JA734J→N3243P）で、2024年8月20日に退役し、9月19日に日本を離れている。初号機は同型機で2機目の退役となり、後継機であるエアバスA350-1000型機（4クラス239席）への置き換えが進んでいる。A350-1000は777-300ERと同数の13機を発注済みで、すでに10号機（JA10WJ）まで就航しており、今年度内に11機体制になる見通し。

　一方、777-300ERは機体を製造するサプライチェーンの混乱が収束していないことなどから、A350以外の機体も含めてメーカーからの納入遅延が生じた際に対処できるよう、一部の機体を当初計画より退役を後ろ倒しし、機材繰りに余裕を持たせる。

関連リンク
日本航空 ^[1]

JA731J
・JAL、777-300ER初号機が退役　破綻後の新仕様改修も1番手、元ボーイング試験機 ^[2]（25年5月27日）
・JAL、売却機の「退役整備」とは　777-300ER初号機からは「予備パーツ」 ^[3]（25年6月3日）
・JAL、777-300ER初号機の退役整備開始　21年で8万7615.70時間飛ぶ ^[4]（25年5月28日）
・JAL 777-300ER初号機、羽田発最終便が上海へ　LAから変更、5/27帰着便で退役 ^[5]（25年5月26日）
・JALの777、2機種が羽田に並ぶ　777-300ER国内線投入、200ERは11/12最終運航 ^[6]（23年10月30日）

初の退役機JA734J
・JAL初の777-300ER退役機、白塗りで4号機離日　A350-1000へ世代交代本格化 ^[7]（24年9月20日）
・「未来が過去になっていく瞬間」JAL 777-300ER、きれいな姿で初退役　4号機がラストフライト ^[8]（24年8月21日）
・「客室乗務員として成長させてくれた」定年迎えるJAL親泊チーフから見た777-300ER ^[9]（24年8月21日）
・ジャンボより長い胴体意識し操縦　特集・JAL坂本777運航乗員部長に聞く777-300ER初退役 ^[10]（24年8月20日）
・JAL 777-300ER、初退役前に社員が出迎え　機材繰りで20日が4号機ラスト ^[11]（24年8月19日）

777-300ERの動画（YouTube Aviation Wireチャンネル ^[12]）
・JAL初の777-300ER退役機 元JA734Jが離日 ^[13]
・JAL 777-300ER 新インテリア初号機の機内（JA738J） ^[14]

JA701Jはビクタービルをローパスしてロサンゼルスへ
・JALの777-200ER、初号機が離日　”飛行機の墓場”をローパス ^[15]（23年5月17日）
・JALの777-200ER、初号機がビクタービル到着　20年10カ月の歴史に幕 ^[16]（23年5月19日）

JA701の動画（YouTube Aviation Wireチャンネル ^[17]）
・【4K】”飛行機の墓場”をJAL 777-200ER初号機JA701Jがローパス【Victorville】 ^[18]
・【4K】強風のモハベ空港に並ぶJAL 777【飛行機の墓場】 ^[19]