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ボーイング、空自向けKC-46を2機追加受注 5-6号機分

 ボーイングは現地時間11月29日(日本時間30日)、航空自衛隊向けの空中給油・輸送機KC-46A「ペガサス」を2機追加受注したと発表した。今回の契約で空自向けの受注は6機となり、このうち2機を引き渡している。

空自向けKC-46A初号機(ボーイング提供)

 KC-46Aは、旅客機の767-200ERを母機とした空中給油・輸送機で、ボーイングは米空軍向けに179機の製造を計画しており、2019年1月からこれまでに米軍へ65機、空自へ2機の計67機を納入済み。空自は6機を調達する予定で、米国のFMS(対外有償軍事援助)に基づく契約で発注している。全機が鳥取県にある美保基地の第405飛行隊に配備される。

 空自向けのKC-46Aは、2021年10月に初号機、2022年2月に2号機がボーイングから日本へ引き渡された。

 コックピットは民間機の787と同様に15インチ・ディスプレイを装備し、エンジンは米プラット・アンド・ホイットニー製PW4062で、最大離陸重量は41万5000ポンド、搭載燃料は21万2299ポンド。空中給油のほか、輸送機として人員や物資、負傷者を運べる。

 給油対象は空自機のほか、米空軍と海軍、海兵隊の航空機。給油方式は、米空軍機が採用するフライングブーム方式のほか、米海軍・海兵隊機のプローブ・アンド・ドローグ方式の2形式に対応している。ブームはフライ・バイ・ワイヤ方式の最新型で、給油オペレーター席には24インチの高解像度3Dディスプレイが設置された。また、前部胴体上部には自らブーム方式で給油を受けられる給油口を備える。

 地上旋回半径は39メートルで、標準的な幅45メートルの滑走路で180度旋回が可能。ボーイングでは、離島のように小規模な飛行場にも展開できるとしている。

 ボーイングは、米空軍や空自などのKC-46Aをワシントン州シアトル近郊のエバレット工場で製造。767をベースとするKC-46Aの機体構造の16%は、日本のサプライヤーが生産を担っている。

関連リンク
KC-46A Pegasus [1](Boeing)
U.S. Air Force [2]
防衛省 [3]
航空自衛隊 [4]
KC-46ペガサス [5](ボーイング・ジャパン)

空自のKC-46A
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