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JAL、欧州発を南回りに パリはシアトル経由終了、日本発は北回り継続

 日本航空(JAL/JL、9201)は4月12日、欧州路線の運航方針を決定したと発表した。4月19日から5月7日まで、運航する欧州3路線はロシア領空の迂回(うかい)を継続し、欧州発は南回りルートを新たに採用する。一方、日本発は従来通り北回りで運航する。また成田-フランクフルト線を期間中欠航、羽田-モスクワ線は5月31日まで運休する。

通常時と北回り、南回りの比較(JAL提供)

欧州発日本行きを南周りルートに変更するJAL=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALが欧州路線で採用している北回りルートは、日本出発後にアラスカ西側のベーリング海に面する辺りから北米大陸、グリーンランドなどを経て欧州へ向かう。新たに採用する南周りルートは、欧州発後に南下し中央アジア上空を飛行。中国上空を経て日本に戻る。ロシア領空を飛行する通常ルートと比較すると飛行時間は長くなるが、JALが欧州発でも選択していた北回りルートと比べると1時間30分程度短くなる。

 運航するのは羽田-ロンドンとヘルシンキ、パリの3路線。このうち羽田-ロンドン線の旅客便(JL43/44、JL41/42便)は、1日1-2往復を継続する。飛行時間は北回りルートのロンドン行きが14時間50分で、通常時から2時間20分増える。南回りの羽田行きは14時間10分で、通常時の11時間55分からは2時間15分増えるものの、15時間50分だった北回りからは1時間40分短くなる。

 羽田-ヘルシンキ線の旅客便(JL47/48便)は、1日1往復運航。飛行時間は北回りのヘルシンキ行きJL47便が14時間40分で、通常の10時間15分から4時間25分増える。南周りの羽田行きJL48便は14時間10分で、通常時の9時間30分からは4時間40分増えるものの、15時間40分だった北回りからは1時間30分短くなる。

 貨物便を中心に週2往復運航する羽田-パリ線は、ほかの欧州路線と同様、羽田発を北回り、パリ発は南回りを選択する。飛行時間はパリ行きが15時間15分で、通常の12時間35分から2時間40分増。羽田行きは13時間45分で、通常からは1時間50分増える。

 パリ線は現在成田発着で、米シアトル経由で運航している。シアトル経由の場合パリ行きが20時間55分、成田行きは22時間35分かかっており、北回りのパリ行きは5時間40分、南周りの羽田行きは8時間50分短くなる。

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日本航空 [1]

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【お知らせ】
パリ線は当初成田発着としてましたが、JALが羽田発着に修正したため、当該部の記事タイトルと5-6段目を更新しました。(22年4月12日 19:10 JST)