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エアバス、ベルーガXLの4号機就航 A350の主翼運ぶ

 エアバスの大型輸送機「Beluga XL(ベルーガXL)」の4号機(登録記号F-GXLJ)が現地時間10月4日から運航を開始した。エアバス機を製造するための輸送機で、大型機A350の主翼などを運ぶ。4日は仏トゥールーズとサン=ナゼールを往復した。2023年までに6機体制にする計画で、5機製造された既存のベルーガは順次退役する。

ベルーガXLの4号機=PHOTO: A. Doumenjou, master films/Airbus

 ベルーガXLはA330-200F貨物機をベースに開発され、A300を基にした大型輸送機A300-600ST「ベルーガ」の後継機。コンポーネントや機器は既存のものを再利用するが、コックピットや貨物室などは新規に開発された。エンジンは、英ロールス・ロイス製トレント700を2基搭載する。初号機は2020年1月9日に就航した。

 輸送力をベルーガよりも30%向上させ、A350の主翼を2つ同時に運べるようにした。機体断面は1メートル広くなり、ペイロードも12%増えている。ベルーガとベルーガXLともに、全機がエアバスの子会社「Airbus Transport International(ATI、エアバス・トランスポート・インターナショナル)」によって運航されている。

 欧州内にあるエアバスの工場間を結ぶベルーガXLは、6日にトゥールーズからスペインのマドリード、マドリードから独ハンブルク、ハンブルクからトゥールーズへ飛んだ。7日はトゥールーズから仏アルバート、アルバートからサン=ナゼール、サン=ナゼールからトゥールーズへフライトした。

 ベルーガやベルーガXLと同様の用途の輸送機は、ボーイングが787の大型部位輸送に使用している747-400を改造した大型輸送機「ドリームリフター」がある。

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