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A321XLR、前部胴体の組立開始 23年就航

 エアバスは、単通路機では世界最長の航続距離を誇るA321XLRの初号機の機首と前部胴体の組み立てをフランスで始めた。2023年の就航を目指す。

フランスで組立が始まったA321XLRの機首と前部胴体=PHOTO: S.Verger/Airbus

 前部胴体を製造するステリア・エアロスペースからエアバスの仏サン・ナゼール工場へ現地時間7月1日に到着。今後数週間掛けて組み立て、7-9月期(第3四半期)にシステム機器や飛行試験機器を設置する。

 中央部と後部胴体は5月からドイツで製造がスタート。サン・ナゼールで組み立てた機首と前部胴体は、10-12月期に最終組立を行うハンブルクへ運ばれる見通し。

 A321XLRは、A321neoの航続距離を延長した派生型で、「XLR(Xtra Long Range)」は超長距離を意味する。燃料タンクの増設により、単通路機では世界最長となる4700海里(約8704キロ)の航続距離を実現。東京を起点とした場合、シドニーやデリー、アンカレッジなどへ飛行できるという。

 最大離陸重量(MTOW)は101トン。メーカー標準座席数は2クラス180-220席、1クラスの場合は最大244席設定できる。座席当たりの燃費は、旧世代機と比べて30%改善される。

 アメリカン航空(AAL/AA)やユナイテッド航空(UAL/UA)、ジェットブルー(JBU/B6)をはじめ、ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)などを傘下に持つ英IAG(インターナショナル・エアラインズ・グループ)、カンタス航空(QFA/QF)、リース会社のエアリース・コーポレーション(ALC)やGEキャピタル・アビエーション(GECAS)などが発注している。

A321XLRの構造部位(エアバス提供)

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