- Aviation Wire - https://www.aviationwire.jp -

ロールス・ロイス、2030年までにCO2排出実質ゼロへ

 ロールス・ロイスは、2030年までに自社の事業活動における二酸化炭素排出量を実質ゼロにする環境目標をこのほど策定した。国連の低炭素社会推進キャンペーン「Race to Zero」に参画し、自動車や航空エンジンといった業界全体での脱炭素化に取り組む。今年後半に取り組み計画をまとめたロードマップ(行程表)の公表を予定している。

2030年までにCO2排出実質ゼロを目指すロールス・ロイス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ロールス・ロイスの計画では、2030年までに自社の事業や施設での温室効果ガス排出量を実質ゼロにする。達成に向けて敷地の電力を100%再生エネルギーでまかなうほか、廃材を自社製品として再生する「クローズド・ループ」を活用した金属材料リサイクル、マイクログリッド(小規模電力網)の整備などを進める。

 次に2050年に向け、継続的なエンジン効率向上のほか、航空機の電動化、代替燃料の活用、小型のモジュール式原子力発電所の推進といった取り組みに重点を置く。ロールス・ロイスのウォーレン・イーストCEO(最高経営責任者)は「業界でのネットゼロエミッション(純無排出)を2050年までに達成すべく、当社は重要な役割を果たしていく」とコメントした。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2018年10月に発表した報告書では、地球温暖化による深刻な被害を回避するためには、地球の平均気温の上昇を産業革命前と比べ1.5℃以内に抑えることが必要だとしている。国連はIPCC報告書を受けて2050年までに二酸化炭素排出を実質ゼロにする取り組みを提唱しており、ロールス・ロイスもこれに賛同する。

関連リンク
Rolls-Royce [1]

ロールス・ロイス、9000人削減へ 新型コロナで民間機エンジン需要減 [2](20年5月21日)
JAL、A350 6号機が成田到着 今年初受領、仏国籍で飛来 [3](20年5月13日)
ANA、A380最終3号機の受領延期 週14便化は未定 [4](20年4月3日)
ロールス・ロイス、VRでエンジン整備の遠隔教育 ガルフG650用BR725で [5](20年5月17日)
ロールス・ロイス、英国で人工呼吸器の製造コンソーシアム参画 [6](20年4月8日)
ロールス・ロイス、世界最大のファンブレード製造開始 UltraFan実証機向け [7](20年2月17日)
787エンジン改修、21年にめど RRイーストCEO、ANA機は20年改修完了へ [8](19年11月28日)
ロールスロイス、新型ハイブリッド電気実証機開発へ 21年初飛行目指す [9](19年11月8日)
ロールスロイス、ビジネスジェット用新エンジンPearl700 ガルフG700向け [10](19年10月25日)