ANAカーゴ、武漢から成田へ貨物臨時便　自動車部品やマスク運ぶ

　ANAホールディングス（ANAHD、9202）傘下の貨物事業会社ANAカーゴ（ANA Cargo）は5月19日、成田－武漢間の貨物臨時便の運航を週3往復で始めた。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響で航空貨物の需要が増加しており、武漢周辺の工場で製造された自動車部品やマスクなどを貨物専用機で日本へ運ぶ。

　ANAグループでは、旅客定期便の成田－武漢線を全日本空輸（ANA/NH）が運航しているが現在は運休。今回はグループで初めて貨物専用便が武漢へ乗り入れた。初日の19日は、成田発武漢行きNH8595便（ボーイング767-300F型機、登録記号JA602F）が自動車部品など約10トン、折り返しの武漢発成田行きNH8596便は自動車部品や半導体部品、マスクなどの医療品約20トンを運んだ。

　ANAカーゴの勝部昭男・成田ウェアハウスオペレーションセンター長は、「武漢周辺の工場が操業を再開しておりニーズが高い」と語った。勝部センター長によると、今回使用した貨物機の767-300Fは満載で50トン搭載でき、旅客便で床下の貨物室に積めるのは2-3トンだとして、今回の武漢発の搭載量20トンに手応えを感じていた。

　19日の成田行きNH8596便は、武漢を午後5時11分に出発し、成田には午後9時24分に到着した。パイロットは3人が乗務し、武漢到着時は中国に入国せず、交代で操縦して成田へ戻った。

　臨時便の設定は31日まで。6月以降は需要動向を見て判断するという。

運航スケジュール
NH8595 成田（12:00）→武漢（15:30）運航日：火木土
NH8596 武漢（17:00）→成田（21:55）運航日：火木土

関連リンク
全日本空輸 ^[1]
ANAカーゴ ^[2]

ANAカーゴ
・ANAカーゴ、羽田・成田から貨物臨時便　フランクフルトや武漢 ^[3]（20年5月13日）
・ANA、787の客席を貨物スペースに　マスク入り段ボール運ぶ ^[4]（20年4月22日）
・787機内にマスク入り段ボールも　国際線9割運休のANAとJAL、貨物輸送を強化 ^[5]（20年4月15日）

767F
・就航15周年迎えた貨物専用機　写真特集・ANAカーゴ767-300F ^[6]（17年8月27日）
・ANAカーゴ、767貨物機15周年でデカール機　中国人社員がデザイン ^[7]（17年8月23日）

777F
・ANAカーゴ、777F就航　日本初導入、大型貨物も輸送可に ^[8]（19年7月2日）
・ANA、777F貨物機お披露目　日本初導入、北米への輸送強化 ^[9]（19年6月13日）
・ANA、777F貨物機が羽田到着　7月就航 ^[10]（19年5月25日）
・ANA、777F貨物機7月就航　成田から ^[11]（19年1月23日）

写真特集・ANA 777Fお披露目
外観編 “アオカケス”北米へ大型貨物 ^[12]（19年6月29日）
機内編 荷主席にコンセント完備の大型貨物機 ^[13]（19年6月28日）