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成田空港、長距離の着陸料3年間無料 新路線、7000キロ以上対象

 成田国際空港会社(NAA)は2020年1月1日から、長距離国際線の着陸料を3年間無料にする「国際線長距離ボーナス」を始める。路線誘致に向けた航空会社に対するインセンティブ制度のひとつで、一定の条件を満たした新路線が対象となる。

長距離新路線の着陸料を無料にする成田空港=PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 対象となるのは成田としての新規都市への路線で、成田から7000キロ以上の地点を結ぶ定期旅客便。2022年3月31日までに開設した路線を対象に、従来は1年目のみ無料の着陸料を3年間無料にする。

 成田から7000キロの地点は、西はパキスタンのカラチ、南は豪ブリスベン、東はハワイ諸島付近がおおよその範囲となる。新路線は米大陸や中東以西、欧州などを見込む。対象となる都市は成田としての初就航に限定するため、例えば9月1日に全日本空輸(ANA/NH)が開設したパース線のように、7000キロを超えた都市でも他社がすでに乗り入れている場合は対象外となる。

 同ボーナスの初適用となるのは、現地時間2020年3月11日に就航するエルアル・イスラエル航空(ELY/LY)のテルアビブ線となる見込み。NAAの田村明比古社長によると、そのほかも調整を進めているという。

 田村社長は、2020年夏ダイヤでの羽田空港の昼間帯増枠により、新規路線の大部分が成田から移管することについて「大きな影響を受ける」との認識を示した。田村社長は長距離ボーナスの開始により「長距離ネットワークを一定程度維持する。再構築してバランスのいい路線網を構築する」と述べた。範囲を7000キロ以上に設定した理由については、ボーイング787型機などのワイドボディー(双通路)機を運航する航空会社の利用を見込むとした。

 NAAは、航空会社向けプロモーション「成田ハブ化促進インセンティブ」を導入し、新路線の誘致を進めている。これまで、既存路線の増強を図る「増量割引」のほか、朝時間帯の新路線拡充を支援する「朝発ボーナス」も導入している。

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成田国際空港 [1]

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