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三菱スペースジェット向けエンジン、国産初号機が出荷

 三菱重工業(7011)グループの三菱重工航空エンジン(MHIAEL)は11月13日、三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」に搭載するエンジン「PW1200G」の国産初号機を、開発・製造元の米プラット&ホイットニー(PW)へ出荷したと発表した。今後米国での試験に使用する。

PW1200G国産初号機(三菱重工提供)

パリ航空ショー出展を終えル・ブルジェ空港を出発する三菱スペースジェットの飛行試験3号機=19年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同エンジンは、2017年に組み立てを開始。テストセル承認、第1回目のフルエンジン組み立てを完了後、試験と分解・検査を経て、第2回目の組み立てと試験を終えて出荷された。PWの受領試験には2018年に合格済みで、今後はスペースジェットの米国での飛行試験拠点であるワシントン州モーゼスレイクの「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)」で機体に搭載され、機体試験などに使われる予定になっている。

 MHIAELの本社工場にあるPW1200Gの生産ラインは、今後FAA(米国連邦航空局)の承認を受けた上で量産を開始する計画になっている。

 MHIAELによると、11日には初出荷を記念して式典を開き、国土交通省や経済産業省、全日本空輸(ANA/NH)、日本航空(JAL/JL、9201)、JALエンジニアリングなどの関係者が招かれ、三菱航空機の水谷久和社長が出席したという。

PW1200G国産初号機の出荷式(三菱重工提供)

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