日本航空（JAL/JL、9201）は3月29日、新しいスタイルのハワイ滞在を提案すると発表した。「自然」「暮らし」「健康」「働き方」の4つを柱に、観光やショッピング、ビーチなど従来と異なるものを提案することで、リピーターの獲得強化を狙う。
新しいスタイルのハワイ滞在をアピールする長谷川潤さん（中央）とJALの客室乗務員＝19年3月29日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
—記事の概要—
・4つのスタイルで「新しいハワイ」
・個人型に変化した渡航形態
4つのスタイルで「新しいハワイ」
グランピングを提供するハワイ島＝PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire
「自然」は、テントの設営や食事の準備などをせずに、自然を体験するグランピングを、西武ホールディングス（9024）と共同開発。ハワイ島の「ウェスティン ハプナ ビーチ リゾート」で、4月1日から提供する。同サービスでは、グランピング専用エリアでたき火によるコナコーヒー焙煎などのアウトドア体験や、地元食材にこだわったバーベキュー・ディナーなどが楽しめる（関連記事 [1]）。
「暮らし」では、所有者がコンドミニアムや別荘などを使用しない期間に第三者へ貸出す「バケーションレンタル」を展開するHomeAwayと戦略的パートナーシップを組み、プロモーションを共同実施。自分の家にいるような感覚でのハワイ滞在を提案する。
また、ハワイに多くのタイムシェア宿泊施設を保有するヒルトン・グランド・バケーションズ（HGV）と協業を開始。JALの航空券を組み合わせた旅行商品をHGVの顧客向けに提供する。
旅行と健康をつなげる専用アプリを展開し、ホノルルマラソンなどのJALがハワイで協賛するスポーツイベントで利用できる特典を提供する。また、マイレージを使用してカヤックや浜辺でのヨガなど、ハワイで体験できるアクティビティを体験できるようにした。
「働き方」では、滞在先での一部時間を仕事に充てる「ワーケーション」を強化。8泊以上滞在できる運賃や、5泊以上から利用できるダイナミックパッケージ商品を新設することで、家族や友人とのハワイ滞在を後押しする。
ワーケーションは「ワーク（仕事）」と「バケーション（休暇）」を組み合わせた造語で、宿泊を伴う休暇中に会議などが発生した場合、オンラインで参加することで休暇を中止することなく、旅行を完遂できるようになる。JALでは2017年夏から導入している。
29日からは、4つのスタイルを訴求する新しいテレビCMを放送。JALハワイ路線のイメージキャラクターを務めるモデルの長谷川潤さんが出演し、シンガーソングライターの山下達郎さんがテーマ曲『LEHUA, MY LOVE』を提供する。
個人型に変化した渡航形態
新しいハワイの過ごし方を提案するJALの大貫常務＝19年3月29日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
JALは1954年にハワイへ就航。国際線の中でも最重要路線のひとつに位置づけ、今年で就航65周年を迎えた。JALで国際線事業を統括する国際路線事業本部長の大貫哲也常務は、不遜ないい方だがと前置きし、「ハワイの皆さまと市場を育ててきた。時代の流れとともに、渡航形態が個人型に変化してきた」と、今回の新スタイルへの狙いを説明。利用客がハワイに求めるものが、従来のビーチとショッピングなどから大きく変化しているとし、「次のハワイをどのようにリードするか、を考えて4つのスタイルに行き着いた」と述べた。
今回の4つのスタイルは、おもにリピーターに向けて提供する。大貫常務は「初めての方も『ビーチとショッピングだけではない』というのを感じていただける」と企画に自信を見せ、「新しいハワイの過ごし方を提案したい」と語った。
ワーケーションはJAL社内では導入が進んでいるものの、日本全体としてはまだまだ一般的ではない。大貫常務は「日本の社会がワーケーションにチャレンジしている最中。なかなか定着していない」との見方を示し、「ワーケーションのうねりをJALが作り、提案していきたい」とした。
一方で競合の全日本空輸（ANA/NH）は5月24日から、総2階建ての超大型機エアバスA380型機を成田－ホノルル線に投入する。大貫常務は「ハワイ市場はまだまだ伸びる。（ANAと協同で）総需要を喚起していきたい」と述べた。
関連リンク
日本航空 [2]
ハワイ関連でサービス強化すすめるJAL
・JAL、ハワイ路線新サービス ビジネスクラスで好きな時に機内食、ホテルに正午チェックイン [3]（18年9月14日）
・JAL、ハワイへ自転車無料運搬 スポーツ大会参加者に照準 [4]（19年3月6日）
・JALと西武HD、ハワイ島ウェスティンでグランピング提供 新サービスを共同開発 [1]（19年2月20日）
JALホノルルに新ラウンジ
・ハワイらしさと自宅のようなくつろぎ 写真特集・JALホノルル「サクララウンジ・ハレ」 [5]（18年8月27日）
・JAL、ホノルル新ラウンジ「サクララウンジ・ハレ」開業 ビーフカレーも提供 [6]（18年8月23日）
ハワイ島コナのいま
・火山影響なく、いつもどおりの観光地 特集・「ビッグアイランド」ハワイ島を行く [7]（18年8月29日）
JALが導入する「ワーケーション」
・JAL、徳之島で「ワーケーション」実証 目前の海で「自由な発想」 [8]（19年2月1日）
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・ANA、A380「フライング・ホヌ」成田到着 片野坂社長「乗った瞬間ハワイ感じられる」 [9]（19年3月21日）