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エアバス、A350 XWBでのリチウムイオン電池採用見送り

 エアバスは現地時間2月15日、開発中のA350 XWB型機ではリチウムイオン電池を採用しない方針だと発表した。メインバッテリーに従来から実績のあるニッケルカドミウム電池を採用する。

飛行テスト用A350 XWB初号機=12年12月 PHOTO: P. Masclet, em company/Airbus

 今年に入りボーイング787型機が搭載するリチウムイオン電池でトラブルが相次いだことを受けての措置。エアバスでは「問題発生の根本的な原因は、我々の知る限り解明されていない」として、リチウムイオン電池の採用見送りに踏み切った。リチウムイオン電池の航空宇宙事業での利用については、今後も調査を続ける。

 今回の決定についてエアバスでは、A350の信頼性を確保するために最も適した方法であり、開発スケジュールにも影響が出ないことを望んでいるとしている。

 A350 XWBファミリーは3機種で構成。長距離路線を飛行でき、航続距離は最大1万5580キロ(8500海里)。座席数は標準の3クラス仕様でA350-800が270席、A350-900が314席、A350-1000は350席となる。就航は14年の予定。2月7日時点での確定受注は35の顧客から617機となっている。

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