仙台空港を運営する仙台国際空港会社は10月22日、新旅客搭乗施設「ピア棟」を報道関係者に公開した。冬ダイヤが始まる28日に開業し、すべての航空会社が利用できる。ピア棟の供用開始により、民営化から30年後となる2044年度の旅客数550万人（国内線435万人、国際線115万人）に対応する。
仙台空港ピア棟の搭乗口＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
岩井社長の案内で仙台空港ピア棟を視察する宮城県の村井知事ら＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ピア棟は、2017年9月1日に着工。当初計画では平屋だったが、機体を牽引するトーイングカーなど、グランドハンドリング（地上支援）車両が建物の下を通過できるように変更し、徒歩ゲート部分を2階建て、バスラウンジ部分を3階建てにした。名称の「ピア」は英語で桟橋（さんばし）や波止場を意味する。
建築面積は3061.72平方メートル、延床面積は5949.07平方メートルで、工事費は約20億円。搭乗ゲートは5カ所で、徒歩ゲートが3カ所、バスゲートが2カ所となり、待合スペースや事務室なども備える。設計は日建設計で、施工は空港会社に出資する前田建設工業（1824）の東北支店が担当した。
仙台空港の搭乗ゲート数は現在、国内線用が5カ所、国内国際共用が1カ所、国際線用が3カ所の計9カ所。ピア棟の開業で、国内線用徒歩ゲートが3カ所とバスゲートが1カ所の計4カ所増え、合わせて13カ所になる。搭乗口番号では、A2とA3、8、9、10番がピア棟となる。
共用ゲートは現在、国内線用として運用していることから、国内線用は現在の6カ所から10カ所に増える。朝や夕方など発着便が集中する時間帯でも、新規就航や増便が可能になる。また、搭乗ゲート数が増えることで、内際共用ゲートを極力国際線が使用するよう、新路線誘致や増便実現を目指す。
ピア棟の搭乗ゲートと駐機場の間には、伸縮式の屋根付き通路「エプロンルーフ」を設置。雨でもぬれずに搭乗できるようにする。
搭乗口付近には、コンセントや充電用USB端子を備えたテーブルや、宮城県CLT等普及推進協議会から寄贈された木製ベンチを設けたほか、黄緑色やオレンジ、水色など、これまでの旅客ターミナルよりはカジュアルな内装に仕上げた。これらの色は搭乗口ごとに異なる。
仙台空港会社の岩井卓也社長は、「ピア棟は民営化当初からの計画。発着案内も刷新し、コードシェアや優先搭乗の案内なども対応できるようにし、より見やすくする」と説明。宮城県の村井嘉浩知事は、「24時間運用化に向けて地元と話し合いを進めており、ピア棟では小さすぎると言わせたい」と熱く語った。
国土交通省航空局（JCAB）で、仙台の民営化を課長時代に担当していた久保田雅晴航空ネットワーク部長は、「国管理空港のコンセッション方式による民間委託第一号が仙台。民営化のトップランナーで関係者が関心を持っており、利用者に使い勝手の良い空港になり発展して欲しい」と期待を示した。
＊写真は30枚。
仙台空港会社が公開したピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港会社が公開したピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港会社が公開したピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港会社が公開したピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港会社が公開したピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港会社が公開したピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港ピア棟の8-10番搭乗口へ向かう通路＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港ピア棟の搭乗口＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港ピア棟の搭乗口＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港ピア棟のカウンター席＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港ピア棟のカウンター席に設けられた電源コンセントと充電用USB端子＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
28日に開業する仙台空港のピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港会社が公開したピア棟の木製ベンチ＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港会社が公開したピア棟のベンチ＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
28日に開業する仙台空港のピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
28日に開業する仙台空港のピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港会社が公開したピア棟のスロープ＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港会社が公開したピア棟のスロープ＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港ピア棟から駐機場へ向かう出口＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港会社が公開したピア棟の到着動線＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港ピア棟のエプロンルーフ＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
28日に開業する仙台空港のピア棟のエプロンルーフ＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
28日に開業する仙台空港のピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港会社が公開したピア棟の到着動線＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港会社が公開したピア棟の到着動線＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
仙台空港の既存ターミナルへつながるピア棟の通路＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
28日に開業する仙台空港のピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
28日に開業する仙台空港のピア棟＝18年10月22日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
関連リンク
仙台国際空港 [1]
工事中のピア棟内部
・仙台空港、建設中のピア棟公開 11月開業、LCC限定せず低コスト実現 [2]（18年5月15日）
仙台空港
・仙台空港、新旅客施設「ピア棟」公開 村井知事「空港会社ができない部分で協力」 [3]（18年10月22日）
・仙台空港の“パタパタ”、10月27日で引退 多言語案内に刷新 [4]（18年10月11日）
・仙台空港、新旅客施設「ピア棟」10月28日開業 低コスト運用に焦点 [5]（18年10月10日）
・仙台空港、施設利用料導入 10月から [6]（18年8月18日）
・FDA、出雲－仙台就航 “杜の都”で緑色4号機 [7]（18年4月20日）
・仙台空港、旅客数が過去最高343万人 17年度 [8]（18年4月3日）
・ピーチ、仙台－札幌就航 第3拠点化、井上CEO「路線拡大する」 [9]（17年9月24日）
・仙台空港、民営化1周年 岩井社長「闇鍋が少し見えるようになる」 [10]（17年7月3日）
・スカイマーク、仙台復活 神戸へ1日2往復、撤退路線初の再開 [11]（17年7月1日）